今回の出し物、その2

 ここから先は、今まで披露したことのない故障部品等について、写真+解説で紹介していく。

サーキット走行中に出火したエンジン
 リアミットシップ車はエンジンの異常に気が付きにくい。そのため手遅れになり致命的なダメージを与えてしまうことがある。この事例の場合、走行中の他の車のドライバーからの身振り手振りで、エンジンから煙が出ていることがわかった。
 状況はというと、一気に白煙を吹いてブローしたのではなく、チョロチョロと煙が出ていてエンジンがストンと止まった。エンジンフードを覗いたところ、プラグカバー周辺がチョロチョロと燃えていたため、プラグコードが燃え尽きてエンジンが止まったと考えられる。
 そもそもの出火の原因だが、サーキット走行の数日前にカーショップでエンジンオイルを注油していたところオイルが大量にあふれ出し、プラグカバーから相当量が侵入し、極限走行により溜まっていたオイルになんらかの理由で着火したためではないかと考えられる。当然オイルがあふれた時点でスチームして洗い落としたが、当分かなりの白煙が出ていたとのこと。
 一般的に売られている消火器は粉末タイプだが、実際に燃えたエンジンに粉末の消火器をかけるとご覧の通り錆がひどくなる。エンジン以外にも飛び散った粉末を落とすのも大変だ。再利用することを考えると、二酸化炭素などで窒息させる消火器の方が断然よいことがわかる。









スラッジで詰まったEGRバルブ
 排気ガス中のスラッジがたまってまともに機能しなくなったEGRバルブ。が、EGRバルブの詰まりは走りに影響を与えないので、その点は大丈夫。





折れたクラッチレリーズアーム
 ミッションについているアーム。このアームでクラッチディスクを動かすわけだが、肝心のアームが折れてしまった。特に強化クラッチをつけた場合は要注意。一部の部品が強化されるということは、どこかのノーマルの部品に無理な力がかかるということ。F6Aの場合、どうみてもこのアームに無理がかかる。強化クラッチは、レース毎にクラッチを点検・交換するほどの人でないと、信頼性・耐久性を下げるだけの部品なのでやめた方がいい。密着力ならノーマルで十分である。









スプリングが飛んだクラッチディスク
 クラッチディスクにあるスプリングが折れてしまった。クラッチの切れが悪くなる。変な使い方をしてスプリングが飛んだ訳ではないため、製造段階で何らかの問題があったものと推察される。