保管中のエンジン

 これが「エンジン掘っ建て小屋」である。塩ビの浪板が屋根になって、さらにブルーシートを被せているだけのものだ。黒い固まりが見えるが、これはブロアユニットやエバポユニットをビニール袋に入れたものだ。置き場所がないからエンジン掘っ建て小屋においている。




 屋根とブルーシートなどを取り払った状態の写真。手前の2つが白ヘッド、奥がミッションまでついている銀ヘッドのエンジンで、全てワークスについていたものだ。今回の検証目的は前頁で述べたとおりだが、このエンジンの内の1つを、香川から引っ張ってきたエンジンと入れ替える必要があったので、ついでに検証してみたというわけだ。
 左に見える衣装ケースは、様々なエンジン部品が入っている。一番下には16万5千キロ走行後のF6Aの腰下(クランクシャフトがつぶれてダメになった奴)が保管されている。過走行エンジンの標準サンプルとして保存しているのだ。




 そもそもこれらのエンジンは何にするものかというと、ご察しの通り保存用である。エンジンコンプリートとして保存しているのはこれら3機の他に、AZ−1専用エンジン1機が部品庫の中にある。AZ−1は特別な存在なのである。また個別部品(シリンダーブロックだの、ヘッドだの)については部品庫に保管してあり、個別部品を組み合わせるだけで少なくとも4機のF6A+ミッションを作ることができるだけのストックがある。「部品がない」とあたふたする旧車の現状を見ると、これぐらいのストックがないと安心できない。

 というわけで、旧車の犯した過ちを繰り返さぬよう皆さんも日々精進されていることと思うが、長期間保管したエンジンはいったいどうなるのだろうか。またどのような保管方法がいいのだろうか。