力道山が所有していたというジャガーXK120、その1

 これ、ジャガーXK120という車。オヤジが言うには力道山が乗っていた車なのだそうだ。これは力道山が乗っていた車と同型車、という意味ではない。ただし、確たる証拠がない。例えば車検証に力道山の名前があるとか、車の一部に力道山のサインが書いてあるとかいうことである。




 泣きそうな顔をしたタイガーマスクのようなジャガーの旧マーク。




 ボンネットを開けて見せてもらった。ラジエターが意外に小さい。後で突っ込むので記憶にとどめておいていただきたいが、下の写真では黒塗りの車のように見える。




 エンジンはV型エンジンのように見えて、実は直6のDOHC 3500cc。1950年あたりに製造されたものと思われる。




 キャブは、えげれす車らしくSUだ。車自体はイギリスからアメリカに輸出され、アメリカの進駐軍が空母に積んでもってきたらしい。で、進駐軍撤退とともに日本で売りに出され力道山が買ったというのだ。




 枠に収まりきらないほどの超ロングノーズ。当時これで町中を走ると相当めだったらしい(そりゃそうだ)。1950年代といえば、ターンフローのOHVがたくさん走っていた時代だ。それがDOHCのだ・クロスフローだのとなると、いかにとんでもない車だったかがわかる。さらに驚かされるのは、このエンジンはなんと90年代まで作られていたのだそうだ。考えられないことである。イギリスの自動車産業が世界に君臨しそして崩壊した理由をこのエンジンは語っている。周囲がよりよい方向に進んでいる中で停滞すると、そいつは死ぬしかないということだ。




 横から見たところ。ホイールは一見するとXK120専用と思われる。




 蓋物はアルミ製とのこと。ボンネットの裏を見せてもらったが、この錆び方は確かにアルミだ。触ったら、ぐにょぐにょ曲がるほど柔らかかった。




 次頁では内装を見ていこう。