シリンダーヘッド、その1

 燃焼室側からみてみた。




 排気側は良く焼けている。今までの傾向として、燃焼室側のバルブがよく焼けていると、インマニ及び吸気ポートの汚れは少なく、ピストンへのカーボンの溜まりが多い。




 一見問題無さそうに見えるが、実は問題が発生していた。排気側バルブガイドの摩耗である。下の写真で矢印の部分、排気バルブの縁の位置に注目して頂こう。左の写真は排気バルブの縁の一部が吸気バルブの「N」の文字に接している。
 ところが右の写真では、「N」の文字から離れている。2枚の写真は同じ角度からバルブをぐらつかせて撮影したのである。



 ちょっとした差のようにしか見えないが、実際はかなりガタがある。なお吸気側にはぐらつきが無かった。21万キロ走行したとなると、バルブガイドがさすがに厳しい状態になってくるようだ。


 さらにさらに、とんでもない問題が起こっていた。これ、吸気側のバルブが抜けない。抜こうとすると、金属音がして何かがひっかかる。動き自体はスムーズなのだが。




 原因は、非常に見にくいのだがバルブの矢印の部分が変形して出っ張りが出、それがバルブガイドに当たっているようなのである。




 この部分はバルブコッタと接触する部分。リテーナーに全然違うエンジンのものが使われていたことが原因でおかしくなったのか、そもそもバルブコッタの取り付けがおかしくて変形したのか、いずれかだろう。