ルーチェロータリークーペ、その2

 エンジンルーム。このエンジン、実に静かなのだ。ほぼ同時期に生産されたコスモスポーツと比較しても、圧倒的に静かだった。





 ルーチェロータリークーペ、驚異のFF機構。下の写真の左側が車の前である。で、矢印部分にプラグがある。ということは、エンジンが縦置きでFFになっているのだ!! 現在は一般的でないメカニズムである。ちなみにエンジン横置きでFFだったロータリーエンジン車も存在した。それはカペラカーゴに積まれた初代の水素ロータリー実験車である。





 もう1つ驚くべきものがある。それはエンジンの型式。「13A」となっている。ロータリーのエンジン型式は、10A、12A、13B、20Bであることは有名であるが、なぜか「12」から「13」へ移行するとき、「A」が「B」になってしまった。失われたかのように思われた13Aは、ルーチェロータリークーペ専用のエンジンとして存在していた。しかも13Aと13Bでは排気量が1ccほど異なり、13Aの方が大きなエンジンになっている。もっと驚くべき事はエンジン開発の順番である。普通なら数字からして10A、12A、13A、13B、20Bの順で作られたんじゃないかと思うところだが、実際は10A、13A、12A、13B、20Bという順番だった。





 さすが高級車、ルーチェロータリークーペ。恐らくこれもマツダ乗用車初のパワステ付きである。残念ながら矢印の部分についているはずの蛇腹がダメになり、ステアリングを切るとギコギコ音を発していた。





 ションベン袋のようなウオッシャータンク。破れることなく機能していることに驚かされる。





 以上見てきたとおり、いろいろ驚かされる車であった。生産台数もAZ−1より少ない車なので、今度オーナー氏と会ったとき(次回来てくれるかな??)、パーツの供給状況を伺ってAZ−1の参考としたい。