理系人間に捧げる、こだわりの一品選択方法論、メガネ等

 これ、私がかけているメガネ。一見よくあるデザインのようにみえるが、なかなかないタイプ。実際、メガネ屋にいっていろいろ比較してみればわかる。STARK(スタルク)というブランドのフレームである。





 独自の機構はメガネのヒンジ部分にある。





 左の写真は真っ直ぐ。右の写真は普通のメガネと同様に折れている。



 ところがこのメガネは、逆方向にもある程度折れてしまうのだ。





 さらに上下方向にも折れる。ヒンジの中にバネが入っているのがその仕掛け。アラン・ミクリというブランドも同様の機構があるが、上下にも折れるのはスタルクだけである。





 スタルク独特の機構は、自分の判断基準にかなうだけでなく、かけ心地にもメリットをもたらす。バネの縮まる力によってメガネのツルが頭を適度な強さで挟み込むためフレーム全体が安定する。結果、ずれが少なくかけ心地がよくなる。メガネのかけ心地で困っている人は、スタルクかアラン・ミクリにかえてみよう。あとバネつき機構は「999.9」(フォーナインズと読む)等のフレームにも、スタルクなどとは違った機構のものがついている。これらのフレームは大手のメガネサロンで扱っているので興味のある人は行ってみよう。

 このメガネを買う前にGold and Woodというブランドのフレームに目がとまったのだが、ものすごく高かったので「サイナラ〜」となってしまった。いいものは高いことを実感。




 車の話から離れすぎてしまったので、最後は車関係にもどそう。いつも使っている工具、Snap-onである。ある人は「工具」として、ある人は「コレクターズアイテム」として扱う2面性のあるツールだ。





 10mm×12mmのオープンエンドレンチ、いわゆるスパナである。「インダストリアルフィニッシュ」というグレード以外のスナップオンのレンチ類は、みなきれいにメッキされている。ただ、使い込むと擦り傷がどんどん増えていき、最初の美しさは失われてしまう。





 スナップオン独自の機構は先端部にある。正式名称「フランクドライブ」、通称「ギザ付き」と呼ばれる機構だ。この特殊な形状によって普通のスパナよりもトルクがかけられるようになっている。





 絶対ミスできない作業で使う工具・メガネとかソケット等定番で使う工具はスナップオン、ブチ壊れてもかまわないような使い方をする工具はストレートかアストロプロダクツを使っている。スナップオンだけも何だかんだで20万くらい費やしていると思う(←マニアから言わせると、この程度ではぬるすぎ)。


 「こだわりの一品」がどうのこうのという特集を組んだ記事はたくさんある。が、なぜこだわるのか、何がこだわりの基準なのか、こだわることで何のメリットがあるのか未定義のままで書かれている記事が多い。定量化しにくいことを楯にして、逃げているようにさえ思う。残念なことだ。