ハイブリッド・ハイブリッドか、時代は変わったな

 オデッサ作戦遂行中にガンプラを作るレビル将軍を見てしまった、ケロロ軍曹であります(意味不明)。


 というわけで、各社が展示していたハイブリッドカーを見てみよう。

 トヨタのエスティマ。




 ダイハツのハイゼット。たかが軽ワゴンまでもがハイブリッドになっている。価格は220万円。通常のガソリンエンジン車に比べて約100万円のアップだ。アップ額はスケールメリットによって変わってしまうため一概には言えないが、ハイブリッドにした場合のコスト上昇分が、ある程度分かる。




 こちらはマツダのハイブリッド。トリビュートのハイブリッドだが、トリビュートに見えない。実はマツダのトリビュートとフォードのエスケープは兄弟車で、フォードがエスケープのハイブリッドを発売したから、マツダもトリビュートのハイブリッドが出せるわけ。ただし、北米向けのみだ。




 同じくマツダの水素REハイブリッド。




 あと他にもホンダとかもいろいろ出展していた。初代プリウスが市場投入されてから早7年。コストが高いため、さすがのトヨタももう出さないだろうと思っていたのだが、出るわ出るわ。日本だけにとどまらずアメリカでも発売を開始した。アカデミー賞か何かの授賞式で俳優達がリムジンではなくプリウスでこぞって来たことから、売れ行きが伸びるきっかけにもなった。

 ハイブリッド車がここまで注目されてしまったために、他の自動車メーカーもついに重い腰を上げてハイブリッド開発に着手し始めた。が、当HPではこの現象を他メーカーがトヨタの謀略にはまったものだと解釈したい。つまり、膨大な開発コストがかかる環境対応車の開発に着手させることで、相手を弱体化させようという作戦である。

 このような謀略を画策しなければならない状況について考えてみよう。そもそも、新技術を最初に開発した者が、常にトップの座に君臨できるわけではない。自動車を世界で最初に発売したメーカーが、今でも世界で一番儲かっているメーカーだろうか。DOS/Vマシンの基本構成を作ったIBMは、パソコン部門がレノボになってしまったではないか。ハイブリッドしかり。ハードウエアに関する先端技術開発の世界では先手必勝とはいかないのだ。じゃあ先駆者が得るものは何か。それは歴史に名が残ることだ。後のうま味はあまりない。従って、独自規格を世界標準化することで儲けようと考えるのは、通常の場合適切ではない。
 一方新技術に関するうま味といえば特許がある。が、ハイブリッドに関する基本特許はもうそろそろ切れる時期に来ている。膨大な開発費をかけて特許を取っても、他社が使ってくれなくては、トヨタとしてはロイヤリティーが取れない。特許の切れない内に相手を自分の土俵に引きずり込み開発を着手させるよう仕向け、今となっては期間的には短いが少しでもロイヤリティーが入るようお膳立てするのが適切である。実際、日産やフォードはトヨタの特許を活用する方針だ。

 以上をまとめると、ハイブリッドにより環境問題に対する企業イメージは上がるが、儲からない・トップになれるわけではない・ロイヤリティーが取れないわけで、あまりメリットはない。しかし大々的に手をつけてしまった以上、他に何かしないわけにもいかない。全車種展開が最も分かりやすいやり方だが、残念ながらガソリンもラインナップに入っているハイブリッド車はそんなに売れない。ハイブリッド専用車をバンバン出すのはリスクが高すぎる・・・
 こうなった以上、他社を巻き込んだハイブリッド焦土作戦に変更する現在のやり方が妥当な選択だろう。歴史に名を残し、儲けにつながらなくてもブランドイメージを上げ、特許でロイヤリティーが入る。他社がトヨタの特許を使うとしても、開発自体は1からやらなければならず膨大は開発費用が発生し、他社を弱体化させる。最高のやり方じゃないか(というのがハイブリッド開発に対する当HPのまことしやかな説である)。