インプレ

 総評
 はっきり言って、面白い。約3分しか無かったが楽しめた。外からみると激しい動きをしたが、内部ではそれほどでもなかった。むしろサスを固めたAZ−1の方がよほどごつごつしている。それは油圧で動かすため、急峻な動きに対応することができず、いわゆる「ごつごつ感」、「突き上げ感」を出すことができなかったことが原因と思われる。また、当然であるが加速感は再現できていない(前後左右の高さが変わるだけなので)。これがあったら凄いことになりそうだ。

 車に乗る前
 前述の通り、席次はくじで決める。5人いたが、幸いなことに私は運転席へ座ることとなった。暗幕のチャックをあけて運転席に入り込むと同時に、シートベルト着用の指示が。内装は撮影禁止だったため写真はない。回りの様子を見渡してみるとベースとなった車はなぜかATだった。

 動き出す前
 ビデオが流れ、再度シートベルトの確認を促す。次にモニターには近づいてくるWRXの画像が映し出された。で、中からドライバーの コリン・マクレーと、コ・ドライバー(ナビゲーター)のニッキー・グリストが出てきて、「これはビデオゲームじゃないぜ(英語)」といってスタートとなる。

 いよいよスタート
 プレイが始まり画面が流れていく。「プロのドライバーとはいえ、こんな狭いダートの道だったら、60kmくらいしか出せないんだね」等と思いつつ、ふとメーターをみると、時速はなんと140kmを示していた。そう、このバーチャルコリン君はスピードメーターとタコメーター、ステアリングまでもが一緒に動くのだ(残念ながら、アクセルとブレーキペダルは連動していなかった)。ちなみに60kmくらいにしか感じなかったのは、撮影したときのカメラの位置がかなり高かったため、普段から視野の低いAZ−1に乗っているためである。
 とまあ、素人の解説はこの辺にしておいて、ここから先はダート走行のスペシャリストでもある常連さんのyamaさんにインプレを書いて頂こう。


 最初のくじ引きでわたしは後ろの席だったんですが、わたしのナビが運転席を引き当てたので、変わってもらいました。コリン君の能書きのあと走り出すと、意外に良くクルマが動きます。加速・減速Gは感じませんが(実際の加速では、まったく舗装路と同じに感じるほどに加速します)、ドリフトの感触は良くできてます。ダートのドリフトは長時間続くので、横Gはあまり感じません。しかし、上下動は実際はあんなもんじゃありません。経験のない方だと、胃が出てくるかと思うほどでしょう。かなり穏やかです。でも、あの揺れの中でペースノートを読むと思うと、それはそれで気が遠くなると思います。運転席に座ったら、かならずハンドルを軽く持ちましょう。コーナーに対してどこからステアを始めてるのか、アクセルONとアクセル開度はわからないですがどのへんからカウンターがあたってステアが直進状態になるのか、またどれだけ修正を加えてるかが、まさに手に取るようにわかります。カメラ位置の関係で視点が高すぎてスピード感がありませんが、あの程度の道幅で(実際はもっと細い道の方が多いようです)クリップを舐めて、というよりはいかにショートカットして最低限、しかしカンペキなドリフトアングルをコーナー入り口で決めて、それを維持して全開で抜けていくか、感動を覚え…たのはわたしだけですかねぇ。モーターショウの女性のお客さんは「曲がってる向きとハンドルが逆に切れてるの!!」と興奮してたそうです。
 あのシミュレータの映像は、WRCの行われている1000湖だそうです。コースに誰もいないので競技中ではなく、またそれなりのスピードで走っているのでレッキ中(試走してペースノートを作成する)でもないようです。レッキ時は、グループN(ほとんど改造を許されないクラス)相当のクルマかノーマル車、さらにダートタイヤではなくノーマルタイヤを使用するなどの厳しい規制があるからです。そこから考えるに、おそらくテストか練習に行った時の風景と思います。ただし、ビデオなどのインカー映像を見るとわかると思いますが、本気で走ったらあんなスピードではありません。かなり抑えております。
 AZ-1だと少々難しいかもしれませんが、ダートは一回は走ってみる価値があります。AZ-1の人も、わたしらのダート練習会には来ますので、無理と言うほどではないでしょう。

 わたしは横浜スバルの販促イベントに行ってきたんですが、お土産に今年の巨大ポスターカレンダー、555バンダナ、スバルのWRCチャレンジのマンガ本、スバル4WDがいかに優れてるかのビデオ(まだ見てない)、STiのデスクトップカレンダーなどを頂いてきました。ビデオを除いて、すべて通常販売されているものです。さらに売店でSTiグッズを1万以上買うと、販促用の’97のWRCビデオ全7巻も貰えました。買わなかったので貰わなかったですけど。
 ちなみにこの横浜スバルのイベントは大失敗だったそうです。だって売り物のお土産盛りだくさんなのに、アンケートの一つも取らず、カタログも置いておらず、それじゃぁ未来のお客さんにはならないですよね。ただクルマを展示して売店出してシミュレータ乗せてお土産くれるだけ。STi砧(東京世田谷のスバルディーラ)からは走行会のお知らせや新型車のカタログなどをさんざん送ってくるのに、横浜スバルはその後なんの案内もありません。


 というわけで、バーチャルコリン君はこれからも地方巡業に励むことだと思う。機会があったら是非乗ってみてほしい。