剥がれる化けの皮

 以上見てきたように、様々な魅力を備えた輸入車だが問題もある。下の写真を見てほしい。


ボディーカラーは同じだが左と右は別の車

 左の写真の中、矢印で示している部分があるが、これが何かおわかりだろうか。実はワイパーのモーター。なんと防水のためにカバーがかけてあるのだ。高温多湿の日本で持ちこたえるための窮余の策なのだろう。ちなみにこの車はヨーロッパの某有名メーカーのもの。この出来で価格は229万円もする。ひどい話である。
 右の写真はリアのハッチをあけて撮影したもの。恐らくストップランプか何かを結ぶための電極と思われる。これでは長年使っていると接触不良を起こしてしまうどころか、感電する危険性もある。
 日本のディーラーは輸入車を販売する際、「独自の厳しいチェック項目で、本国以上の品質管理を行っています」とか言うことがある。確かに「製造段階での品質チェック」は完璧にできるだろう。しかし「設計段階での品質チェック」は不可能なのだ。以上の例は外見から判断できるほんの一部であって、目に見えない部分となると様々な問題を有することが十分に考えられる。「輸入車は壊れる」というのは現在でもまかり通るのだ。しかし一方で、「出来の悪い子ほどかわいい」とも言う。故障確率の低い国産車にするか、輸入車に乗って自己満足に浸るか、故障して楽しいなあという自虐的悦楽を選ぶか、それはあなた次第なのである。