ダッジ・バイパー

 どうも最近のアメ車には「傲慢さ」と「パンチ」が今一つ感じられない。去年の京都会議、二酸化炭素の削減に対し強硬に反対していたビッグ3だが、結局削減目標が決まるやいなや自らの態度を豹変させ、今度はデトロイトのモーターショーで「環境に優しい自動車」みたいなのを(実体は、アルミボディーを使って車体を軽くして燃費が向上しましたという芸の無いエコカー)周囲に迎合するかのように突如出してきた。
 今に始まったことではないが、エンジンも車もどんどん小型化し普通の日本車みたいな軟弱な車になりさがってしまった。



軟弱なアメ車の例。ちなみにこの犬の主人は
AZ−1が世界で一番嫌いな車らしい

 アメ車の魅力とは何か。「でかい」「重い」「ボロい」「環境に悪い」「スタイルはマッチョ」。この極悪なイメージ、この「不良の魅力」こそ日本人の描くアメ車の魅力ではあるまいか。少なくとも82年式のコルベットを弟が持っているという立場から言わせてもらうと、こうなる。
 そのような中、久方ぶりに見たパンチのあるアメ車が、この「ダッチ・バイパー」。V型10気筒、7993cc、最高出力は460ps。「ボロい」かどうかは知らないが、悲しいまでに時代錯誤なスペックが「悪」を極めている。


 写真が悪くて申し訳ないが、まさに「悪」をイメージさせるスタイリング。見ての通り、ボディーカラーは血の色だ。後ろからみると放熱のためか、フェンダーが空いている。マッチョだ。




 これがフェンダー部の拡大。これでもかというくらいの大穴があいている。中身も丸見え。




 ボンネットを開けたところ。フェンダーにあれだけの大穴があいているにも関わらず、なぜかタイヤハウス回りにウエザーストリップがついている(矢印)。ヘッドカバーも血の色だ。