マラッカまでの道のり

 マラッカへ出発しようとしたとき、ホテルにいたツアコンが妙なことを言い出した。ガイドブックに書いてあることと違うのだ。

「マラッカまではタクシーで行けるが、マラッカのタクシーはマラッカ市内以外は営業できないので帰ってこれない」


 おいおいおい、話が違うぞ。帰ってこれなかったら大事じゃん。もう一度ガイドブックを見るが、タクシーで帰ってこれる書いてある。マラッカまでのタクシーは基本的に空港でしか拾えないので、とりあえず真偽のほどを確かめることもかねて空港まで行くことにした。
 マレーシアのタクシーは、前払い制。料金メーターはなく、乗る前に運転手と交渉して料金が決まる。空港から出発するタクシーは既に料金設定されているので交渉は必要ないのだが、そのカウンターでマラッカからタクシーを拾って空港まで帰ることができるか聞いてみた。すると答えはイエス。あれ、ツアコンのいうことと逆であり、ガイドブックに書かれていることと同じ。う〜ん、ここまで来たのだから一か八かでマラッカまで行くことにした。


 写真がないのが残念なのだが、空港から出発するタクシーには2種類あって、料金の高いリムジンタクシーと、安いバジェットタクシーがある。何が違うかというと車の豪華さが違うのだ。マラッカまでの料金だが、リムジンタクシーは190リンギ、バジェットタクシーは160リンギだったと思う(高速道路料金込み)。
 リムジンタクシーに乗ったのだが、これがボロボロ。エアコンこそ効いていたものの、ルーバーは折れている。高速道路の料金所では、ドアをあけて料金を支払っている。AZ−1と同じでこの人はドアをあけて料金を支払う主義なのかと思いきや、どうやらパワーウインドウが壊れているらしい。

 空港からマラッカまでの距離は160km。一部一般道を通るものの、ほとんどを高速道路を使って信号停止なしで行くことができる。マレーシアの高速道路の制限速度は110km。なんか中途半端な制限速度だが、そこを140kmで走って到着。片側2車線で、結構たくさんの車が走っていた。車に乗って分かったがこれがまたひどい車で、道の良い直線を走っているだけでケツが振れる。さらに驚かされたのが高速道路料金。160キロ走って、なんと8リンギ=240円である。日本ではその15倍は取られるところだ。マレーシアの最大のODA支援国は日本。高速道路もその息がかかっているのか、日本と同じ感じだった。とりあえず、ODAで使われた税金をマラッカまでの往復高速代金で取り戻したということにしておこう。

 高速を降りてマラッカまで一般道で行く途中、地元のさらにぼろっちいエアコンなしタクシーを発見。「あんなタクシーでも空港に帰れるか」とタクシーの運ちゃんに聞いたところ、やっぱり帰れるという(←まだまだ不安&今ならまだ引き返せる)。本当だろうな、たのむよ。あと途中の道で日本のJUSCO(ジャスコ)を発見! 日本のと同じような大きさと構造だ。マクドナルドまで入っているぞ。そこでタクシーの運ちゃんに「あの店はなんと発音する??」と聞いてみたら、「ジュスコ」と答えた。やっぱりそうきたか。「あれはジュスコではなくジャスコと発音するのだ」と教えてあげた。

 最後はタクシーの運ちゃん、こちらの指定した目的地が分からなくなり道に迷ってしまった。ま、ここでいいかということで下車し、マラッカに到着した。



向こうに見える海がマラッカ海峡