フローリアン

 ベレット、117クーペといういすゞ乗用車において、一般の乗用車としてではなく一部のタクシーとか教習車に使われることが多かった謎めいた車がフローリアン。当時の車のデザインや町並みから比べても、フローリアンのスタイリングは異色というより違和感さえ覚えるものであった。これは決して悪い意味ではなく、特異に目立ったという意味である。

 そのフローリアンの初期型がこの車。実はこの車のオーナーの前の車は、先ほど出てきたハンドメイドの117クーペだったりする。




 ナンバーが117クーペでもないのに117になっている。なぜか聞いてみたところ、117というのはいすゞの開発コードのことで、117クーペの開発コードは117スポーツ、フローリアンの開発コードは117セダンだったのだ。
 で、量産されるときスポーツは117の名前が残り117クーペになったが、セダンにはフローリアンと名付けられた。

 シートはベンチシート。これがタクシーなり教習車として用いられた1つのポイントだろう。




 この車のウインカーは117クーペのものが取り付けられていて、純正のものではないとのこと。




 初期型のフローリアンは相当珍しいらしい。私も脳味噌の中に残っているフローリアンとは違っていたため、始めは何の車か分からなかった^^;。