フェラーリ ミトス

 実はミトスにせよP5にせよ、インターネットで紹介されている例は極めて少ない。実際検索してみれば分かる。出てくるのは、2002年に東京都現代美術館で行われた展示の際に撮影された写真か、ミニカーの写真である。なぜなのか。それは車が作られたのがインターネット普及以前であったこと、それぞれ1台しか作られなかった車であったことが考えられる。というわけで、今回のレポートのように一般の目にふれる写真がネット上で公開されるのは極めて珍しい。

 車両スペックを見てみると、両者は対照的である。1968年に作られたP5の車両重量は792kg、排気量3967ccで出力は450psとなっている。一方1989年に作られたミトスの車両重量はP5の倍の1500kg、排気量は1L増えて4943ccとなったものの、出力は逆に390psと大きく下がっている。パワーウエイトレシオだけで判断すると、20年で半分になってしまった。これはいったいどういうことだ?? 勝手に想像すると、ミトスはフェラーリのプロトタイプの中で唯一公道を走ることの出来るモデルだそうで、衝突並びに排ガス規制クリアのために重量が増し、出力も下がったのではないだろうか。しかし1989年はそんなに厳しい規制ではなかったため(走行パターンが異なるため比較できないが、感覚的にいうと当時のECの排ガス規制であるSTEP1規制は日本の53年規制より甘い)、触媒の耐久性と燃費さえ考えなければもう少しなんとかなるレベルだと思うのだが・・・
 あるいは1968年のような昔の話になると、カタログスペックは実測値でもなんでもなく「こうだったらいいなあ」という希望的観測値だったことも考えられるため、水増しスペックとなっている可能性もある。実際、200km/hしかでないのに240km/hまでメーターの針が刻んであり、最高速度があたかも240km/hかのように感じさせる車が当時たくさんあった。が、今となっては検証のしようもない。


 というわけでミトスなのだが、すんません、デザイン音痴の私としてはよくわかりません。普通のフェラーリにしか見えましぇん。写真もとんでもなく悪いです。



 しっかし、それにしても納得できないのが「み・と・す」とリアに貼られたでっかい文字である。フォントも普通でさしたる特徴もなく、なんかそこらへんで売られているプラスチックの文字プレートが貼られているようにも見える。なんでこんなことをしたのだろう? これだけで引いてしまう。




 引いてしまったところで、P5を見てみよう。