ロータスエランその1

 実に美しい黄色のエラン。東京に住んでいるときに購入し、広島に戻ってきた人の持ち物である。本当はロータス純正の黄色にしたかったそうなのだが、この色はオレンジっぽい色でイマイチイメージに合わなかったため、この色にしたのだそうだ。ちなみに色は黄色の原色。




 フロントに付いているナンバーは、イギリスから直輸入した当時から付いていたもので、日本であとからカッコつけて付けたものではない。もしこの車を前オーナーがみたら、遠く離れた異国で元気していることにさぞ驚くことだろう。




 せっかくなので、いろいろと見せてもらった。

 ケッロヨ〜ン!、状態のリトラ。やっぱりリトラですよ車は。運転席側の目が下がっているが、これは電動ではなくエンジンの負圧を利用したアクチュエーターで稼働するためこんなことになってしまったのだ。この写真はライトが上がるときを撮影したものではなく、ライトをあげたままエンジンを切ってしばらく放置した後に撮影したものなのだ。エンジンを切ることによって負圧が常圧にもどる。そうするとライトが下がってくるという仕掛けなのだが、アクチュエーターのばらつきによって同時に下がってこないのである。もちろん、エンジンがかかっていると、ライトは左右同時に上下する。
 最近のリトラは全て電動式である。そのためAZ−1をリトラ化する際には電動式になってしまうのだが、エランを見ると負圧のアクチュエーターを使う方がいいのではないかと考え始めた。電動では上がる角度を微調整する必要等があり、設定が難しい。例えば何らかの物体が引っかかってライトが上がらなくなった場合、モーターが途中で回らなくなり最悪焼き付くとかいうことも考えなければならない。正確な位置決めをするためにステッピングモーターを使い、その制御には1チップマイコンを使い、自分で制御用のプログラムを組んでROMに焼くなんて話にもなりかねない(このあたりのことは、秋月で売られているものを使うことで対応可能だが)。しかし負圧のアクチュエータならそんな心配は無用だ。アクチュエーターの作動範囲内で止まったとしても焼き付くことはないので簡単な位置決めだけでOKである。負圧はちょっと気持ち悪いがマスターバックからとればいい。温故知新である。旧車のミーティングにはこういうヒントが隠されていることがままあるので参考になる。ただし、常日頃から問題意識を持っていないと気が付かないので要注意だ。




 内装。木のパネルが実に美しい。もし現代の車でこれをやろうとすると「水圧転写」という方法を使ってABS板上に木目調を印刷するはずだが、この車は本物の木製である。また現代のオーディオがついていないのもいい。この手の車にオーディオをつけるやつがいて、木の雰囲気をぶちこわすんだ。また車に乗っているときはエンジンサウンドこそが至高の音楽であり、それ以下のものは不要である(といってもAMの道路情報くらいは聞きたい)。