解体車参上、その2

 エンジンルームをみてみよう。実はこの車のエンジン、そのままではかからなかった。かからない理由は2つ。付けられていたセキュリティーがはずされ、配線が分断されたままだったこと、セキュリティーの関係かエンジンの配管がわけのわからない接続になっていたことである。配管はその場でもとに戻すよう修理したが、パーツがなくてだめだった。ま、エンジンは問題なく動いていたということだったので、よしとしよう。




 下の写真はスターターである。写真ではよくわからないのだが、ピカピカの新品なのだ。バッテリーも新品に近い感じだった。ひょっとすると前オーナーは、スターター回らない病で悩んでいたのだろうか。スターターが回らないから新品に交換したのだろうか。だとしたら、ご苦労さまです。




 あと変なへなちょこ技もみられた。これはノーマルのエアクリBOXに穴をあけて吸気しやすくしたものである。




 マフラーはゼロヨン(初期型)に変えられていた。あと写真には写っていないが、ホイールは14インチだった。実は解体する時に固まってしまったことがあった。当然ホイールにロックナットが使われているのだが、解体車だから専用のロックナット用ソケットがついているはずもない。さてどうしたものか、作業がストップしてしまった。さんざん苦労したあげく、なんとインチのソケットがサクッとはいってしまい、あっさりとはずすことが出来た。どんなタイプのロックナットがインチのソケットではずすことが出来るのかは差し障りがあるので明かせないが、このタイプのロックナットを開発したやつは、間抜けな設計をしたもんだ。




 内装はこんな感じ。赤いマットは自作だろう。適当に作ったものかと思いきや、非常に精度良く裁断されていて驚いた。パーツとしての価値は全くと言っていいほどないのだが、出来は最高だった。




 あとコンビスイッチがきれいだった。軸が黒かったので、新しいものに交換されている。恐らく前オーナーがズボンの裾に引っかけて折ってしまったのだろう。こちらはめっけもんだ。




 サンシェードもついていた。が、裏返してみるとAZ-1のロゴなしタイプ。ちょっと残念。




 この車、現在は完全に解体され、ドンガラはニコイチ用に使われる予定で跡形もなくなっている。死したAZ-1の屍拾う者ばかり。
 それにしても解体しているときにいつも思うのだが、もう少しまともな扱い方ができなかったのかというか、稀少絶版車乗りとしての自覚というものがないものか? 非常に残念な話である。ま、廃車になったらなったで、こういうオーナーが淘汰され濃いオーナーのための部品の供給源になってくれるのでありがたい話ではあるのだが、釈然としない。