ロータリーエンジンの知識

 これまた会長が取り出したるは「ロータリーエンジンの知識」である。この本はロータリーエンジンが開発されたとき、その概要を知ってもらおうとしてマツダ(東洋工業)より配布されたものである(俺も持ってるんだけど)。




 まずは最初の言葉から。書いた人は後のマツダの社長や会長となる山本健一氏である。当時はロータリー実験部長だった。




 発行日は1967年の12月だ。




 内容をみると、度肝を抜かされるものが多い。この写真は航空機用のロータリーエンジンの写真である。なんと巨大な。本文の解説からして排気量は32リットルと思われる(驚)。ハウジングの中に人が入れるぞ。ここまで大きいと、燃費がどうのこうの言う前に気化させた燃料が燃焼室内で上手く混ざってくれるのかどうか疑問だ。
 ローターを持ったことのある人は知っていると思うが、鋳鉄製で結構重いのだ。ローター=ピストン+コンロッドという感覚ではない。理由は軽かったら慣性が働かずに上手く回らないため故意に重くしている面もあるが、この航空機用のローターの重さは一体どの位あるんだろう。重さの単位がkgではなくトンになりそうな気がする。




 さらに驚くべき事には、1967年の段階で既に4ローターロータリーエンジンが存在していたことである。が、当時の技術からいってエキセントリックシャフトの加工精度が出るはずがないので、恐らくローターを4つ組み合わせただけの限りなく飾りに近いエンジンだったものと思われる。