抜かれていく狂犬の牙
会場に、アメ車をほぼ製造年代順に並べてあるところがあった。それらの写真を比較してみよう。狂気のアメ車デザインがだんだんおとなしくなっていくのがわかる。

ナンバーから1950年製造の車と思われる。ぬめ〜っとしたナマズ顔。でもこの重量感がいい。

こちらは1957年製造と思われる。ミサイルから機銃までなんでもついているこのころのアメ車が個人的には一番カッコイイ。

車のでかさは相変わらずだが、ミサイルなどがなくなったかわりに、デザインに精悍さがみられるようになる。

やはり車のでかさは相変わらず。この車のライトはやっぱりリトラクタブルヘッドライトというのだろうか。しかしライト、使用・未使用時で空気抵抗に差がない。祝! 意味のないデザイン、アメ車に復活。

ああ、これが栄光あるアメ車なのか? 突如としてオーソドックスなデザインになってしまった。排ガス対策の影響(車体の軽量化)でこんな姿になってしまったものと考えられる。この車を気に入って買ったオーナーの人には申し訳ない言い方なのだが、完全に抜かれた狂犬の牙。残念でならない。
ただアメリカ本土で生産されている本当のアメ車の一部には本道回帰が見られ、アメリカンマッスルカーが復活している。これは燃費・排ガス問題をクリアするための技術の見通しがついているためと考えられる。個人的には喜ばしいことだ。