出品システム利用料徴収前後の出品数の推移

 まず始めにデータの前提条件を明らかにしておこう。ゴールデンウイークにさしかかるため、5月2日以降のデータは入れていない。この期間は会社が休日・帰省が重なり出品数の変動が大きくなる可能性があるためだ。実際、盆休みとか正月休みは出品数の伸びが減速している。
 次に今回の結論だが、出品システム利用料徴収後のYahooオークション全体の出品数は、出品システム利用料徴収前の半分に落ち込み、約210万件となった。同様に「自動車」のカテゴリの出品数、「az-1 」で検索してヒットした出品数もほぼ半減という結果となった。
 では他のオークションはどうか。「オークション統計ページ(仮)」の統計結果をみてみると、ビッダーズや楽天などは確かに数が増えている。しかし、ヤフオクで消えた210万件のオークション出品物がそのまま他のオークションに流れたわけではないことも分かる。ヤフオクをやめるという意見が多かった割には、他のオークションへの流出はなかったのだ。


「オークション統計ページ(仮)」記載のグラフに注釈を入れて使用(転載承諾済み)

 以上の結果をまとめると、今まで育ってきたインターネットオークションという1つの市場は、ヤフオクの出品システム利用料によって半減してしまったと言っていい。

 しかし半減したとはいえ、現在のヤフオクの出品数は1年前の出品数とほぼ同じである。「ヤフオクの出品数が激減した・インターネットオークション市場が一気に冷え込んだ」というより、元の状態にリセットされたといった方が適切な表現ではなかろうか。また前回のレポートでは、1年前の出品数を保っていればヤフオクの勝ちと予想していた。ヤフオクのシェアはまだ80%を越えており、案の定ヤフオクの一人勝ち状態が続いている。ただし、まだ第二、第三の山場、即ち5月15日の落札システム利用料や約一年続いた参加費無料キャンペーン期間の終了があるため、勝敗をつけることはできない。

 では次項より、減少傾向の詳細な分析等を行った後、落札システム利用料徴収後のオークションの出品数を予想していこう。