システム利用料に対する様々な意見

 システム利用料に対しては、立場によっていろいろな意見や見方がある。主立った意見を書いてみよう。まずは料金徴収賛成の立場から。

 出品数の増加によってシステムの負荷が増え、システムを増強するために資金が必要となりシステム利用料を徴収せざるを得ないというもの。確かに「自動車」のカテゴリに表示されている出品数は、1年前に比べて10万件も増えている(後述)。オークション全体ではとんでもない数に膨れ上がっているだろう。システム増強のために1出品数に対して10円が適切な価格であるかどうかの議論は別にして、何らかの料金徴収は無理からぬことか。
 また、このオークション自体(というかYahooの運営自体)は当初バナー広告料が使われていた。しかしここ1年のヤフオクのバナーをみると、Yaoo BBやオフィシャルバンクのバナーばかりで、他の企業のバナーが出ることはあまりなかった。実質上、運営資金無しの状態であったのだ。企業は利益を追求するものだから、有料化は当然という意見もある。

 次は料金徴収反対の立場から。まず企業努力が足りないと言うもの。サービス業たるもの、値上げや何らかの料金徴収は最終手段であり、それに至るまでの努力の跡が見られないにもかかわらず、いきなり料金の徴収を宣言するとはいかがなものか、ということである。確かにその通り。
 また料金徴収に見合ったサービスをYahooは提供できるのか、という疑問の声もある。例えば非合法な出品物の対策・詐欺事件の対応等に対してYahooは何もしないのだから料金を取るなというものである。
 さらに今回の料金徴収は企業倫理に反するというものもある。実は料金徴収宣言を行ったタイミングが非常に悪かったのだ。同じオークションサイトであったeBayが日本から撤退すると会見を行ったわずか2日後に、Yahooはシステム利用料徴収を宣言したのである。ライバルがいた時は無料で使わせておいて独占的地位を確立しておきながら、ライバルがいなくなったとたんに有料化するとは独善もいいところだとというのだ。

 以上代表的なものをあげてみたが、どれも一理あるなあ。なお当然のことながら、料金徴収反対の意見が圧倒的に多い。