戦前の車編




 まずは定番のT型フォードである。これはスピードスターで1915年(大正4年)に作られたもので、排気量は2900cc・馬力は22hpである。なんで3000ccもあって22馬力しか出せないのか、今の技術から考えると不思議な気がする。車の大きさだが、これがデカイ。パジェロくらいの大きさである。パワーがほしいからエンジンが大きくなった。エンジンが大きくなったら車体が大きくなった。車体が大きくなったら重くなってパワーが必要になった。パワーを稼ぐために、またエンジンを大きくした。そうしたらまた重くなった・・・のイタチゴッコでできた車のように思える。




 次は同じくフォードのA型。1928年(昭和3年)製で、排気量は3300cc、馬力は40hpとなっている。T型フォードと比べると、10年で2倍の出力を確保した。この技術的進歩は当時としてはすごいものだったのだろうか?





 そしていよいよ日本車の登場、ダットサン・セダンである。1936年(昭和11年)製で、排気量は722cc、出力は16馬力だ。排気量は小さいが、排気量当たりの出力では上述の2車に劣ってはいない。