コンプリートエンジンに組み込まれた部品の素性

 ざっくりいうと、錆びたゴミ部品の寄せ集め。ゴミからエンジンを再生する、エコロジーな会社である。

1.シリンダーブロック
 ペーパーサンダーで磨かないといけないぐらい各部にサビがわいたものを使っていた。



2.カムシャフト
 摩耗したものを組み込んでいた。中には錆びてしみができているようなものもあった。



3.ロッカーアーム
 スリッパ部が摩耗していた。サビもわいていた。



4.バルブスプリング
 錆びていた。



5.コンロッド
 同じく錆びていた。



6.クランクシャフト
 基準値などが書かれているデータが少ないため、評価対象外とする。


7.シリンダーヘッド
 プラグホール周囲にクラックが入っていたが、使用中にクラックが入った可能性があるため評価対象外とする。



 コンプリートエンジンの分解検証はこれでおしまい。最後になったが本企画の種明かしを。実は新しいコンプリートエンジンがやってきたら、エンジンを載せる前に分解検証しようという話が出ていた。それにより、どんな素性の部品が使われているかがよりはっきりするためだ。当然、今回分解したコンプリートエンジンも分解検証して、新旧を比較する手はずで動いていた
 となると、コアエンジン(返却用のエンジン)を別途用意する必要がでてくる。そこで「エンジンの形状をしたゴミの詰め合わせセット」を送ってやろうと準備していたのだが、「動きそうにないエンジンをコアにしちゃダメ」という話がでてきて送ることができなくなった。そうするうちに別のコアエンジンが見つかったり、エンジンを積むタイミングもあったりして、新しいコンプリートエンジンの分解検証はできない状況となってしまった。

 結果論ではあるが、今回分解検証した結果をみると「エンジンの形状をしたゴミの詰め合わせセット」を送ってもよかったんじゃなかろうかと思う次第である。