一連の実験結果のまとめ

 以上を表にまとめると、以下のようになる。

   サビ取り剤10倍希釈   アミド硫酸飽和水溶液   アミド硫酸飽和水溶液10倍希釈 
 サビ取り速度   
速い
 
 
中間
 
 
遅い
 
 サビ取り剤から取り出した直後の状態   
若干黒くなる

 
 
鉄の色になる

 
 
鉄の色になるが一部サビが取れていない。こすると取れる

 
 サビ取り剤から取り出して放置した状態   同上   
黒く変色した上、赤錆が再度発生する

 
 同左 
 赤サビの除去方法   

 
 
アミド硫酸飽和水溶液に漬ける
 
 
アミド硫酸飽和水溶液
 
 若干黒ずんだ部分を除去する方法   
アミド硫酸飽和水溶液に漬ける

 
 ー   ー 
 最終的な処理方法と処理後の色   
サビ取り剤10倍希釈に漬けて取り出しそのまま乾燥させる

  
 
同左

 
 
同左

 
 サビ取りコスト   
2500円/10L
 
 
2000円/10L
 
 
200円/10L
 


 コストを第一優先としてサビ落としを考えた場合、以下のやり方が一番安くつくかもしれない。想定は20Lのガソリンタンク内のサビ取りだ。

1.10Lのアミド硫酸飽和水溶液を作ってガソリンタンクの中に入れ、大まかに錆を落とす。
この際、再度錆が発生するのは無視する。
2.そのまま水で希釈して、20Lのアミド硫酸水溶液とし、ガソリンタンクの中をアミド硫酸水溶液で満タンにする。
その際、小石を加えてタンク内を揺することで錆を落とせるようにするとなおよし。
3.アミド硫酸飽和水溶液を抜き、よく水洗いをする。高圧洗浄機が使えれば、なおよし。
4.1L程度のサビ取り剤10倍希釈ですすぎ、最終的な処理を行う。


 1ヶだけのタンクを洗浄するのだったら割高だが、2ヶ・3ヶと洗浄するのだったらどんどん安くなる。

 このやり方で、ガソリン携行缶の中を洗浄した。



 サビがざっくり取れた。



 薄めたアミド硫酸水溶液を容器に移し、水分を蒸発させる。こうやってアミド硫酸飽和水溶液になるまで濃縮する。そうしてまた別のタンクに使用する。これを繰り返して再利用を続ける。液体が茶色になるが、サビ除去力は変わらない。



 繰り返しになるが、この方法はあくまでも「サビ取り剤の中に漬ける」ことができる部品にのみ適用できるやり方である。AZ−1のフレームにわいた錆を落とすのに使ってはいけない。
 今回はこれでおしまい。次回は、アルミに対して同様の措置を行うとどうなるか検討を行う。