驚くべき事実、こいつはもう死んでいた

 まずコミュテータ−の端に着目して欲しい。下の写真は42万キロ走行のもの。矢印部分はコミュテータ−の端なので、摩耗していないどころか新品状態と言える。



 一方こちらは全体が摩耗したコミュテータ−。



 上と同じ写真をに矢印を加えた。実は、コミュテータ−の金属部分が首の皮一枚になっていることがわかるだろうか。実際、矢印で示した部分は金属が剥げて、下地の樹脂部分が見えている。



 ではコミュテータ−の厚みを測定してみる。42万キロの端の部分、つまり新品同様の部分の直径は、19.69mmほどあった。



 今度は摩耗した中心部の直径を測定した。18.90mmだった。約0.8mm摩耗したことになる。



 最後はコミュテータ−の金属部分が首の皮一枚になっている部分の直径。なんと18.99mm。



 ということは、42万キロ走行したコミュテータ−は摩耗限界に達していたのである。しかもブラシまでも摩耗限界に達していたことになる。つまり42万キロ走行のブロアモーターは、コミュテータ−もブラシも同様に摩耗して、限界に近づいていたのだった。これが驚くべき事実である。


 100年100万キロ走行を目指すAZ−1としては、42万キロで生命維持装置の要であるブロアモーターがダメになってしまうことに衝撃を受ける。モーターなんぞはブラシを交換し続けたら延々と使えるものだと思っていただけに、衝撃度が増す。さてどうするか。次頁で対処法を考える。