クランク角センサー

 デスビキャップを外し、さらにデスビローターを外すと、クランク角センサーとローターが見えてくる。このセンサーは、高電圧の火花を発生させること自体には無関係なのだが(高電圧はかからない)、火花を発生させるタイミングにかかわる部品だ。クランク角センサーもしくはローターがだめだと、上死点直前など適切なタイミングで火花が飛ばず、結果としてエンジンが回らない。

 ここでは水没品と正常品を比較していく。左の写真が水没品だ。



 ローターを拡大する。水没品は錆びている。ここには水が入ってしまったようだ。
 クランク角センサーは、ローターの頂点が近づくと電気信号を発生させる。これはセンサー内部に入っている磁石が関係している。即ち、ローターの内部まで錆が発生し磁石と反応しなくなるという状況にならない限りは、ローターの錆はクランク各センサ−の動作に影響しないと考えられる。





 一方、いろいろなキャップがしてあるのに、なぜ水が入ってしまったのだろう。今までオルタネータやセルモーターなどを見てきたが、肝心な部分への水の浸入は確認されなかった。その理由としてボルトによる締結だとしてきた。このクランク角センサー部分もキャップがネジで締結されているので、今までの考察の結果を踏まえると、水が入ってこないはずなのだが・・・

 その原因は、ネジの締め付けトルクと考えられる。オルタネータやセルモーターは金属でできていることから、ネジの締結トルクは高い。一方デスビの方は、絶縁のため樹脂部品が多用されている。つまり締結トルクをあげられないのだ。もし締結トルクが金属部品並みに上げることができれば、クランク角センサー部分に水が入ってくることはなかっただろう。


 次頁では、おまけ&エンジンがかかるかどうかを検証する。