ベルハウジングの中

 外したミッションの外観。アルミが粉をふいているような様子はほとんど見られない。



 ベルハウジングの中をみると、白い粉をふいていた。なお写真の下側が、丁度車の下側になる



 ここで、矢印部分に着目する。矢印の位置から左上に向かって粉をふいている箇所が増えているように見えないだろうか。



 白い粉のラインを水平になるよう画像を回転させてみた。すると、車の前側が上がることになる。前側が上がった状態で水没したという他の痕跡や目撃証言を、ベルハウジング内の白い粉からも説明することができるのではないかと言える。
 であるならば、AZ−1はピッチ方向に対して約30度上に傾いて(エンジン側が沈んで)比較的長い時間水没していたと推測される。
 一方、レリーズベアリングやパイロットベアリングは錆びて固着していた。となると、一時的にレリーズベアリングの高さ当たりまで浸水したのは間違いない。となるとこれらのベアリングは短時間の浸水でも固着するのではないかと考えられる。ただ、この説明には矛盾も多いので、こんな考え方もできるというぐらいに留めて欲しい。



 砂が溜まっていた。これも傾きを約30度補正すると、丁度下側になる。





 参考までに、白い粉をふいた部分の拡大写真。
 こう見ると、白い粉をふいている部分は、写真手前に集中しているように見えないだろうか。AZ−1はロール方向でいうと、右側を下にして水没した。その結果、ベルハウジング内にエアだまりができて、結果的に水が入ってこなかったと考えると説明はつく。



 赤く塗ったエリアが、エアだまりができたと推測される部分。なお、右側を下にして水没したことから、フライホイールやクラッチプレート、レリーズベアリングは水没したと考えられる(黄色いエリア)。いい写真があれば説明しやすいのだが、下の写真を参考までに。なお写真のミッションは水没車のではなく、全く別のアルトのミッション。






 次頁では、5速ギア部分を見ていく。