キックボードと折り畳み式自転車の比較

搭載性の比較
 まずは最も気になる搭載性から比較してみよう。下の写真はキックボードを折り畳み、オプションのバックに収納した状態である。AZ−1の助手席裏のスペースに納めることができる(スペアタイヤは運転席裏の定位置に収納している)。このことからキックボードがいかに小さいかが理解できるというものである。


 次に折り畳み式自転車を乗せた場合。袋の中に16インチの折り畳み式自転車が入っているのだが、助手席がいっぱいになっている。



折り畳んだときの大きさの比較
 では先ほどの搭載性を具体的な数字で表してみよう。折り畳んだときの大きさと重量を以下の表にまとめる。もうキックボードの方が圧倒的に有利だ。

 高さ厚み重量
折り畳み式自転車70cm40cm50cm14kg
キックボード60cm10cm20cm2.7kg

 数字だけではピンとこないと思うので、次の写真を用意した。

 袋に入った状態で大きさを比較してみた。ご覧の通り、圧倒的にキックボードの方が小さい。ちなみにキックボードと折り畳み式自転車の入っている袋はこれだけ大きさが違うにも関わらず、ほぼ同じ値段だった。


 また袋から出した状態、組み上げた状態でも比較してみた。全然大きさが違う。


 一方重量だが、キックボードはとても2.7kgとは思えないほど軽く感じる(私の体感では500g程度にしか感じない)。それに対し、折り畳み式自転車は、30kgくらいあるのではないかと感じてしまう。


組立時間
 組立時間を比較するとキックボードは10秒(慣れると5秒で組み立てられるらしい)、折り畳み式自転車は2〜3分はかかる。これまたキックボードの圧勝だ。


 これだけのデータを並べると「AZ−1用簡易移動車両はキックボードに決まり」となってしまいそうだ。しかしである、実際に2つを乗り比べてみるとそうも断言できなくなった。
 まず乗り味。キックボードは滅茶苦茶疲れるのである。というのはキックボード(特にRazor)は小型軽量を追求した結果、路面からのショックをモロに受ける構造となっているためだ。さらにこれに拍車をかけるのが、ウィール(コロ)の硬度である。キックボードのウィールの数は2つ。2つのウィールで全体重を支えスムーズな走りを約束するには、ウィールの硬度を上げて転がり抵抗を少なくする必要がある。硬度が上がるということは固くなるということであるから、その分路面からのショックが伝わりやすくなるのだ。ちなみに疲れる箇所は、振動がモロに伝わる手のひらと両足。これに対し、折り畳み式自転車は空気の入ったタイヤであるため、路面からのショックが和らげられ、疲れることはない。

 次に悪路走破性。キックボードは最低地上高が低く、ちょっとしたでこぼこでも乗り上げてしまう。また土の上だと接地面積の小さいウィールが土の中にめり込んでしまい、とても走れるものではない。それに対し折り畳み式自転車では、砂場を走らない限り、このような事態は生じない。

 最後にスピード。平地で勝負すると自転車の方が速い。仮にキックボードで同等のスピードが出せたとしてもそれは短距離での話で、長距離になるほど疲れにくい自転車の方が有利になる。


 ちなみに折り畳み式自転車には、こんなのもある。ブリヂストンワンタッチピクニカ。折り畳みの速さはぴかいちで、たたむとゴルフバッグに入る。同様の構造のものが売られているので、それを選択するのも良い。