その他の箇所 & まとめ

 クランクシャフト。前述の通り、各部は問題無い。




 あと、このエンジンはオイル漏れがひどかった。最初はオイルレベルゲージの根本からオイルが出ているのかと思っていたのだが、タイミングベルトカバーがしてありオイルが進入しにくいはずの部分(クランクシャフト周辺など)にもオイルが付着している。その原因として考えられるのが、オイルシールの組み付け不調だ。オイルシールとオイルポンプがツライチになっていない。



 その結果どうなったかというと、オイルポンプを取り外す時(クランクシャフトから抜くとき)、矢印のようにオイルシール内にあるバネが出てきた。このバネは、通常出てくるようなことはない。クランクシャフトがさしてある状態では当然見えなかったが、実際はバネが飛び出た状態になっていた可能性が高い。



 つまり、オイルシールの組み付け不良によりシール機能が十分に発揮できず、ここからオイルが漏れだしたと考えられる。


 インジェクター。23万キロ走行後のインジェクターの吐出性能については別途検討するとして、Oリング部分を見ていく。



 デリバリパイプに接続されたインジェクターからガソリンが漏れ出てこないようにする唯一の要が、このOリング1つである。見た目、全く問題ない。





 以上、23万キロ走行のエンジンを見てきた。このエンジンから言えることは以下の通りである。
1.このエンジンはオイル管理を適切にしてきたと聞く。オイル管理が適切ならば、メタルは20万キロ近くまで持つ可能性が示唆される。
2.仮にそうだとしても、ラッシュアジャスターがエアをかみこむなどしていることから、オイル管理は万能策ではない。異常にスラッジが付着しているような状態も目視で確認できないまま放置される。
3.従って、定期的なエンジンのオーバーホールが、エンジンコンディションを保つ最も確実な方法である。

 あ〜、6.5万キロしか走っていない私のAZ−1のラッシュアジャスターのエアのかみこみは大丈夫なのかとちょっと心配になってきたのであった。


 23万キロ走行のエンジンの検証は一旦これでおしまい。なお、23万キロ無交換のオルタネータの検証や、超大物ネタである穴のあいたフレームの分解解析もあるのでお楽しみに。