レストアされたルーチェロータリークーペ、その2

 補機類の入ったエンジンルーム。もちろん実走可能である。



 ローターハウジングに刻まれる13Aの文字。13Aはなぜか、「NSUからライセンスを受けた」とか、「東洋工業」等を表記する文字がない。



 矢印で示す黒いものはエアコンのコンプレッサー。残念ながら純正はなかったので、装着可能なものをアメリカから取り寄せたとのこと。そのため、この部品だけ違和感がある。なおこの下にはパワステのポンプがある。その大きさが現在の車のコンプレッサーによく似た大きさだったので、コンプレッサーが2つついているのかと勘違いした、



 矢印で示す銅のパイプが、パワステの油圧用のパイプ。最近は電動パワステになっているため、この手の配管はすっかり見なくなった。電動パワステに変わった大きな理由の1つは、燃費の改善がある。エンジン駆動のポンプだと、常にポンプを駆動させているため、燃費が悪くなるのだ。



 パワステの配管の継ぎ目。エアコンのようにコネクタでつながっているのではなく、ゴムホースがホースバンドで締結されているだけだ。こんなのでいいんだろうかとちょっと驚く。



 次はがらりと変わってルーフ部分。塩ビ製の表皮が貼られている。40年近く前の車だが、表面がボロボロになるわけでもなく、剥げることもなくしっかりついている。厚みなどの違いがあるため一概に比較するのもどうかと思うが、例えばロードスターのホロが40年もつとは思えない。一方で、塩ビに対する技術は現在の方が格段に進歩しているはず。なぜ昔の塩ビがここまで耐久性があるのか不思議だ。



 次頁では、昔のマツダ社内の移動手段を紹介する。