キャロル

 クリフカットのキャロル。後部のウインドウがそそり立っているのが特徴。デザイン上のインパクトとともに、後部座席の空間も確保している。また後ろのメッキのスリットもいい味を出している。エンジンは軽自動車初の水冷4気筒エンジン。しかもアルミのシリンダーブロックだった。駆動方式はRRだ。「ギュルルルルー」という独特のエンジン音を覚えている人も多いと思う。
 なお、この車は生産100万台の記念車であるため、金色に塗装されている。




 実はキャロルにはロータリーエンジンの搭載が計画されていた。しかし、技術上の問題及び某社の抗議により実現することはなかった。
 まず、技術上の問題。コスモスポーツは2ローターである。従って1ローターにして少し容量を減らせば軽自動車にも使えることは誰にでも予想できることである。しかし1ローターには大きな問題があった。エンジンの回転方向と逆向きの力が加わると、エンジンが勝手に逆に回ってしまうのだ。結局この問題は自動車用エンジンとしては解決されなかった。
 次に某社の抗議の嵐。当時軽自動車が主力であった某社は、ロータリーエンジンの出力の大きさにビビリまくった。こんなエンジンが軽自動車に使われると、とても太刀打ちできないからだ。そこで、なんだかんだと因縁をつけて開発を中止させようとしたそうだ。