手続き・購入編


 と言う事でこの企画を耳にした翌日の8月30日(金)、早速「島根県軽自動車協会」へ行きました。と、言うのも9月1日と言えば日曜日。「役所」であるならその前日の8月31日土曜も合わせて休みだろうと思ったからです。またこの日自分の勤務している高校は始業式だったので、幸運にもお仕事は半日で終わっていたのです。

 早速受付のお姉さんに聞いてみます。
「あの―、軽自動車にも電光ナンバーが付けられると聞いて来たんですけどぉ。」
「えーっと‥‥ハイ。来週からですね。」
‥‥やはり土日は休みらしい。
「人気爆発ですか?」
「いや‥‥全然‥‥ホントに‥‥」
‥‥なんとも言えない苦笑をされました。
「受け付けだけでも今日お願いできますか?『1』番が欲しいので‥‥」
「受付も来週からです。」
‥‥ちぇっっ。
「でも『1』が欲しい方は他にもおられて1週間ぐらい前から多少来られてます。ですので『1』については特別に9月2日の月曜まで待って抽選をする事にしました。」
‥‥自分と同じような物好きが、島根にもまだいる事が分かりました。
「それでは自分も抽選対象にいれておいてください。」
「わかりました。それではもう一度今度の火曜日以降にお越し下さい。」

そして9月3日(火)の午後、学校は学園祭準備で授業は無し。ラッキー。ちょっと外出、軽自動車協会へ。

学校から約10分で到着。
「あの―。」
「はいはい。あー、centuryさんですか。あなたは残念ながら抽選に外れてしまいました。」
「あらまぁ、そうですか。」
「それでも『字光式』にされますか?」
「せっかくですからそうします。」
「それではこちらの書類に必要事項を記載してください。」
と言われて渡された用紙は3枚。

@ 新しい車検証(転写式用紙)
A 字光式ナンバー申込書(ざら紙。印鑑も押す必要なし。かなりいい加減)
B 納税者の登録と思しき用紙。(車検証が新しくなるので書いて当たり前か)

 @は「『車両番号』のところだけ空けて、後は今までの物を写してください。」と言われた通り、今までの車検証をほとんど丸写しするだけ。印鑑を押すところが1ヶ所ありました。軽自動車の車検証は手書きなので、これからは自分の書いた字の車検証とつき合う事になるわけだ。綺麗な字で書こう。
 Aにはクルマの型式と車体番号と自分の名前を書くぐらいな物でした。島根県独自の物かも知れません。
 Bだけはコンピューター処理をする物らしく、この中では1番立派な用紙です。しかし書く内容は@同様、住所、名前、生年月日程度の事だけです。印鑑は必要ありませんでした

 全て書き終わるのに3分もかかるでしょうか。誰が行っても「どう書いて良いか分からない所」など無いでしょう。もしあれば係の方に聞けば良いでしょう。手馴れたディーラーの人ではない事はすぐ分かるでしょうから、優しく教えてもらえます。書き終わったらチェックもしてもらえます。

 ここまでにかかった金額は書類代(と言われました)に180円。写真がそのレシートです。‥‥どこにも「書類代」とは書いてないんだけど‥‥。



「書類をチェックますので、その間に今まで使っていたナンバーを外して持って来てください。工具はそこにありますから適当に使ってください」と言われました。なるほど「適当に使われていそう」な工具箱がある。車載工具の方がマシかも。

 ナンバーを外して持って行き、「廃棄ナンバーの回収箱」に入れると書類のチェックも終わっていて、その書類を「隣の建物のパソコンの前に座っているお兄さんの所」へ持っていくように言われました。ここで始めてナンバーの番号が決定されます。K自動車のナンバーはこのパソコンで順番に決定、交付されるので、やはり好きなナンバーをもらう事はどうしてもできません。

 しかしここで「ワザ」を教えてもらいました。多少の数字の変更なら、そこで待ってれば次々にディーラーの方が来られるので、「今、何番が出ましたか」と聞いて狙って列に並び、少し順番をずらす人も実際におられるそうです。なるほど1の位(下1桁)だけを狙う事ぐらいの事は難しくなさそうです。

「電光ナンバーは大人気ですか?」と、ここでも聞いてみました。
「いえ‥‥次は『2』ですね。」
‥‥おーい。昨日(9月2日:事実上の電光ナンバー開始日)は誰も来なかったのか。それに抽選で外れた人はまだ誰も来てないのか。 聞く所によると、「『1』でなければ字光式と言う事や番号にこだわる事は無い」と言う人ばかりで、結局9月3日までには「1」を抽選希望した人以外、誰も「電光ナンバー」を欲しがる人はいなかったと言う結果でした。

 もともとK自動車は「実用車」であるため、余分な出費をする人がいないのか、はたまた「K自動車用電光ナンバー」が恐ろしく知名度の低い物だったのか(自分も8月29日に知った訳ですから人の事は言えませんが)‥‥。その証拠に9月3日現在、我が家がお世話になっているディーラー(日産ブルーステージ、レッドステージ、島根マツダ、ホンダプリモ)に聞いてみましたが、全店が「K自動車用電光ナンバー認可スタート」の事実を知りませんでした。

 さて、話を戻します。晴れて「隣の建物のお兄さんのパソコン」に「2」をもらって、新しい車検証にプリントしてもらい、それを持ってもとの窓口のお姉さんの所へ戻ります。そこで新しいナンバープレート「島根57あ2」を受け取ります。ほほう、電光ナンバーの車種分類番号は「57」になるのか。ちょっと感動。

 さらにもう一つ、個人的に大きな発見がありました。自分は電光ナンバーではナンバープレートその物の構造が大きく違う物だと思っていました。しかし実際は「普通のナンバープレートの文字部分が僅かに透明部品になっているだけ」で、手にして見ると普通のナンバープレートでお馴染みのあの薄い鉄板でした。それだけ見るとこれが電光ナンバーである事さえ分からないほどです。

 それでは文字はどう光るのか?最大の謎が残っています。 普通車なら「文字の部分が緑色の透明部品」であるだけで終わりなのですが、K自動車用の物は「文字部分が僅かに厚みのある無色の透明部品で出来ていて、さらにその上にごく薄い黒い文字の部品が張りつけてある」構造となっていました。そして点灯時には文字の周りが光って見える構造」となっていました。






 そして自分はここで始めて、あの電光ナンバー裏側の構造の秘密が分かりました。ナンバーの後ろに厚さ3センチほどの発光ユニットをつけるのです。これがなかなか精巧にできている物で「旭化成テクノプラス エイゼット事業部」製のようです。‥‥「エイゼット」ねぇ。さらに驚く事にこの商品にはどんな意味が込められているのか「ダイアモンドリング」と言う、たいそう高貴なネーミングがしてありました。




 ナンバープレートを受け取る際に係りのお姉さんから「後ろから光らせる装置はお持ちですか」と聞かれました。もちろん有ろう筈も無いのでこれも購入。なんと5色の中から選べるようになっていました。普通車用の「銀」しか見たことなかったのでびっくりしました。ちゃんと見本もあって、「メッキ銀」、「シャンパンゴールド」、「黒」、「赤」、「青」がありました。自分のAZ-1はMSV専用のブリリアントブラックで、ワンポイントに「赤」を使っています。それに合わせて「ダイアモンドリング」も「赤」にしようと思ったのですが、赤と青はかなりダーク系のくすんだ(落ち着いた)色調だったので、ちょっと合わないかなーと思って敬遠。「メッキ銀」が一番高そうに見えましたが、メッキパーツは「こんな無駄な所にもお金がかかってます。デラックスです。」と主張する高級セダンにこそ似合うものだと思っています。機能美以外を削ぎ落とすべき「スポーツカー」にメッキパーツが付いているのもイヤなので、結局無難な「黒」にしました。

 お姉さんが「後ろから光らせる装置はお持ちですか」と聞いたと言うことは、既に持っている可能性もあることを示唆する言葉だと思うので、既存の普通車用の「後ろから光らすユニット」も使えると考えて良いのでしょうか。今回自分が買ったものは「軽自動車専用」と書いてあるのですが、どなたか「普通車用」を持っていらっしゃる方に実験していただきたいものです。

 そして最後にナンバープレート代の5020円と「ダイアモンドリング」代の13400円を支払いました。



これで支払い関係は全て終了。総額18600円となりました。

 書類をもらってからここまでにかかった時間は15分程度でしょうか。

 さぁて、いよいよ帰るぞぉ‥‥と意気込んだけど‥‥ちょっとそうは行きませんでした。そう、ナンバープレートは自分が手に持っているのでもちろん車体には付いていません。当然このままでは走って帰れません。こんな所に電飾用の配線工具なんか持って来てるはずないし、どうしよう。

 0.5秒考えましたが心配には及びませんでした。ナンバープレート本体は見た目ほとんど普通のナンバープレートと変わらないのだから、「ダイアモンドリング」を付けず、光らせなければ今までと同じ。まだ既存のナンバー灯だってそのままなんだから、ナンバープレート本体だけ普通に取り付けて帰りましょう。ダイアモンドリングの取り付け、配線は自宅のガレージに帰ってからすればイイ事だし。

 と言う訳で、とりあえず誰が見ても電光ナンバーとは思うはずもない状態で、しかも「島根57あ・・・2」と言う今ではまだ何とも珍しい黄色いナンバーを付けて、さらにそれを見て不思議な顔をする人たちの多くの視線を感じながら、学校への帰路につきました。



※ これは島根県でのお話です。地方によって若干の違いもあり得ますのでご承知おきください。