リアパッドの交換2

さて、ここで大問題発生。いや、ホント大問題です。
ノーマルパッドを外してみたら…
ローターに当たっていないところがありました。
これは左リアのパッドです。上が内側、下が外側です。
外側はきれいに当たっているのですが、内側は半分ほど当たっていないようです。
ちょっとわかりづらいでしょうけど、ローターの裏側の外周側が錆びています。
全然パッドが当たっていないということですね。
ちなみに右後ろのパッドです。上が内側、下が外側です。
やはり内側が半分当たっていません。
左側とまったくの対称形であるところがなんとも不気味です。

 とりあえず、問題は問題として宿題にしておきましょう。気を取りなおして新しいパッドを組み付けます。
ピストンを戻します。
フロントはキャリパーごと挟んで押し戻せばOKですが、リアはピストンを回しながらねじ込みます。
この時、ピストンに切ってある十文字をパッド裏に当てる金具に残っている跡に合わせます。
前回の交換時には無かったブレーキグリスを塗ります。なかなか売ってないんですよ、これ。
前回のレポートでは普通のグリスでもいいと書きましたが、熱で溶けて流れてしまうのでだめだそうです。
グリスを塗る場所は、金属が当たるところ全部です。
具体的に言うと、パッドと裏に当てる金具の間、金具とピストン、パッドを押さえる爪が当たるところ。

 できた。
グリスたっぷり。
鈴木君曰く、「こんなに丁寧にやったことない」。おいおい。
ローターについている溝は見なかったことにして下さい。
さて、押し戻したピストンでマスターシリンダーのフルードがこぼれそうになってしまいました。
MAX線まで吸い取って蓋してOKです。


 というわけで、とりあえず付きました。鈴木君へのお礼はAZ-1のノーマルステアリングです。彼の奥さんが乗っているAZ-3に付けるんだそうです。

 さて、ファーストインプレッションをお届けしましょう。
 まずは100km程度の慣らしが必要ということで、その日の午後、買い物がてら富山市まで行ってきました。国道41号を交通の流れに沿って「急」の付く運転を避けてのんびりツーリングです。そのくらいの速度域では、ノーマルパッドより効きが甘いです。これまでより踏力が若干必要です。まぁ、慣れればどってことないレベルですけど。
 その翌日、十三墓峠へ行ってきました。「飛騨いろは坂」と岐阜県知事が命名した峠です。急勾配+狭い車線+きついなんてもんじゃないコーナーの三重苦な峠で、ブレーキのテストにはもってこいです。(いや、テストコースとしては最高ですけど、私にテストできる腕があるかどうかは別問題ですね)
 いつもより1速高いギアで、エンジンブレーキに頼らずフットブレーキメインで下ってみましたが、最後まで効きが衰えません。ノーマルパッドだと最後の方で結構ブレーキのストローク増えるんですけど。おそらくセルフサーボ効果もあるんでしょうが、ある程度温度が上がると「ググッ」と効いてきます。
 上りもいつもと同じ所でブレーキングを開始すると速度が落ちすぎてしまいます。これまでならロックしているはずのフロントがロックせずにきれいに回頭します。タイヤがプアなので結局プッシングアンダーは出るんですが(ヘタとも言う)、これまで以上にリアが効いている(しかも前後のバランス良く)証でしょうか。
 ブレーキだけでクルマの性格変わるもんなんですねぇ。初めて経験しました。
 街乗りで効きが甘いくらいですから、温度が上がるまではこのパッド本領を発揮しません。ですから、ジムカーナには向かないと思います。

 ただし、上でレポートしたとおり、私のクルマはリアのキャリパーがおかしい可能性があります。これは近いうちにディーラーに持ち込んでチェックしてもらいます。このブレーキパッドの本当の効果は、その後でないと体験できないのかもしれません。現状でも充分すごいですけど。もちろん次も同じパッドにするつもりです。って、気が早いなぁ。

(2000/6/18追記)
 本日、ディーラーでリアブレーキ周りを見てもらいました。新たに組んだパッドはローターにきれいに当たっていました。で、サービスの人と「なんでやろなぁ、おかしいなぁ」としばらく思案していたら、サービス曰く「あ、ここに当たっとったかもしれん。」
 リアのパッド裏面には凸部分があります(このリア編上から4枚目の画像参照)。で、ピストンには十文字型の切り欠きがあります(11枚目の画像参照)。本来ならこの凸凹がしっかり合っていないといけないんですが、たまたま12ヶ月点検の交換時にそれを確認しないまま組んでしまったために、ピストンが凸を押すようなカタチとなっていたんですね。面ではなく、点で接していたためにチカラが偏って、偏摩耗を引き起こしていたということです。ローター内側の外周が当たっていなかったと同時に、外側のハブに近い部分も当たっていませんでした。
こんな感じで押していました。
だからリアのピストンは回しながら押し戻すようになっているんですね。

 なんでリアのピストンだけこんなカタチになっているんでしょう?とサービスに質問したら、「サイドブレーキが付いているから」という、わかるようでわからない答えが返ってきました。そういうことにしておきましょう。
 というわけで、アルファーレーシングのパッドは、ちゃんと付いていたことがわかりましたので、前回のファーストインプレはパッドそのものの持つ性能の私なりのインプレだと思っていただいてよろしいかと思います。

(2000/7/31追記)
 前回インプレ時のタイヤはル・マンRV(ダンロップ)165/65-14でした。最近タイヤをピレリP6000の175/50-14に換えたのですが、フロントのロックが早く出るようになりました。さらにワンダリング性能が落ちて、路面の凸凹にハンドルを取られるようになりました。特にブレーキング時。初期の回頭性はそんなに変わらないのですが(というか、タイヤが新しい分だけシュアに向きを変えます)、その後がいけません。ひたすらプッシングアンダー(ヘタともいう)。ただし、高速コーナーへチョンブレで進入する時は非常に安定していますから不思議なもんです。フロントタイヤのサイズは、Sタイヤでない限り165までにとどめておくのが、かかる荷重からもベターだと思います。
 このアルファーレーシング製ブレーキパッド、足回りはともかく、タイヤを選ぶパッドですね。やはりグリップ力の高いタイヤほど威力を発揮しそうです。