レーシングパレス跡地、その2

 入り口は、結構厳重な門で閉ざされていた。



 門にはこんな表記が・・・



 門越しに中をみてみる。草ボウボウかと思いきや、そうでもない。



 超音速支援戦闘機「F-1」もまだ置かれていた。フェラーリの積車は腐れ感があったが、こいつは遠目で見る限り痛んでいないように見える。2000年より前に展示されはじめたので、13年以上も屋外放置されていたことになる。すごい耐久性だ。



 そのときである。立ち入り禁止のはずの敷地内に人が歩いているではないか。



 さらに驚くべき事に、旧正面入り口前で当たり前のように洗車している。この人の方が、よほど不審者である。



 地権者なのか、管理者なのか、建物裏へと消えていった・・・



 HPが生きていること、草ボウボウになっていないことから、何らかの管理はされているようだ。中にはまだ車が入っているのだろうか。洗車している人が管理人だとして、何のメリットがあって管理を行っているのだろうか。レーシングカーに興味を持つ人が少なくなった今、そんなことに注目する人は少ないので、情報が全くない。

 なので、レーシングパレスが閉鎖された理由を考えてみた。もちろん全て憶測である。直接的な要因としては、車に興味を持つ者が少なくなった、FISCOが全面改装されている間に客足が遠のいたことが考えられる。これに異を唱える人はいないだろう。
 一方、建物の構造にも問題があったのではないか。先にも紹介したとおり、建物の周りを壁で囲うなどしているため、非常口が見あたらないのである。消防当局からの指摘があったものの、非常口の増設を行う改築費も捻出できなかったため、閉館となった可能性も考えられる。
 またレーシンググッズの入手も困難になった(=資金源が確保できない)ことも考えられる。例えば使い古しのタイヤを売ろうにも、それが手に入らなくなったということだ。昔はなーなーのつながりにより関係者間で横流しができたので比較的グッズの入手が簡単だったと思う。しかし、レース用タイヤが「汎用市販品ではなく、車の特性に合わせて作った一品対応の試作品」扱いになるのであれば、現在では(本当は昔から)チームなりコンストラクターなりがレーシングパレスのような全くの別会社に転売することはできない。


 次頁からは、別の自動車関連博物館跡地をみていく。