裾野IC付近にあった、箱入り娘のトヨタS800

 富士スピードウエイには、新幹線を乗り継いで三島で降り、レンタカーを借りて向かった。向かう途中、博物館とは関係ないが、どうしても寄りたかったところがあった。それは、トヨタS800が箱入り娘となって放置されていた場所だ。あれからどうなったのか。朽ち果てているのだろうか。この10年間、気になってしょうがなかった。

 ストリートビューを使って場所の特定などの事前調査を行ったところ、それらしき放置車両が見あたらない。どうみても、ここしか考えられないという場所に行ったところ、道は綺麗になり、放置車両が置かれていたと思われる場所は更地になっていた。



 ジムニーが放置されていた場所付近は、コンクリートブロックで覆われていた。



 箱入り娘のヨタ8が放置してあった場所。跡形もない・・・



 本当にこの場所で正しいのか、放置車両があったことを知っている人はいないのか、地元と思われる人に聞いてみた。が、人の記憶とは曖昧である。あれだけ異様なものがあったはずなのに、皆さん心当たりがない。一般の人にとって、名車の廃車体などゴミ同然、いや全く記憶に残っていないことから、ゴミとしてさえも認識されない状況なのだ。
 散々聞き込みを行ったところ、当時を知る人に出会うことができた。その人が言うには、放置車両があったのは確かに上の写真の場所だったという。肝心の車はというと、別の場所に移されたそうだ。あの車は放置車両ではなかった。また希少な車が無事で一安心である。
 「現在置かれている場所に案内してやろうか」とも言われたのだが、「杉山哲を偲ぶ会」に遅れてはまずいので、丁重にお断りした。車がどうなっているかを見たいのは山々だが、私としては、車が無事に存在することがわかっただけで十分である。

 心に引っかかっていた物がとれたところで、次の目的地、レーシングパレス跡地に向かった。