有終の美 787B(55号車)ラストラン、その2

 「颯爽と現れ有終の美を飾った」と書きたいところなのだが、残念ながら今までで一番悪い走りだった。条件が悪すぎたのだ。もともとドリフトの走りを見せるための特設コースでは、直線番長の787Bが威力を発揮できるべくもなく、おまけに寒くてタイヤの温度が上がらずで、心地よいロータリーサウンドが聴けたのは空ぶかしのときだけだった。



 なんせ「薹が立った車」なので、興味を持っている人は少ないのではと思っていたが、人気は上々。しかし、そんなファンの前で残念な走りしか見せられなかった。残念な気持ちと、本来の走りを知っている優越感と、これが見納めという寂しさが交錯したのであった。



 ドライバーは、モーターフェスティバル2011にてデモランを走ってくれた寺田さん。ルマン優勝20周年記念の一環で様々なところを走った787Bだが、日本国内で一番いい走りをしてくれたのは、結局モーターフェスティバルだったと思う。