55号車 最後の本格走行

 ルマン優勝20周年目にあたる2011年、55号車はいろいろなイベントに出走してくれ我々を楽しませてくれた。今回の走行をもって、一旦お蔵入りとなる。787Bは2回走った。1回目はテスト走行という名目で午前中の11:00から、2回目は本格走行で15:00から走行した。これでついに見納め・聞き納めかぁ。今回運転するのは往年のドライバー、片山さん。実はルマン優勝当時にマツダ社内を優勝車でデモ走行した人でもある。



 記念のためか車にはカメラが仕掛けられていた。このお守りは最初から付いていたかなあ。今まで気が付いていなかっただけならごめんなさい。



 いよいよ出走の時が来た。787Bが最後の走行をするためピットから出てきたのだ。「走行中はピットロードをわたるな」ということだったので、ピットウォール越しから撮影した。逆に言うと、写真に写っている人たちは、この時点でピットウォールに移動できないため、直線を走行する787Bを間近で見ることが出来ない。





 肝心の走行はというと、残念ながら期待値を下回ってしまった。寒かったからタイヤがあったまっていないわ・ブレーキも効かないはで、第一コーナーに突っ込む300mぐらい手前からアクセルを抜いてゆっくり走行してコーナーに入っていったのだ。これが何を意味するかというと、

 1.サーキットを常に全力走行できるわけではない。
 2.そのため最終コーナーを抜けてからエンジンを回し、直線に入る。
 3.ブレーキが効かないから直線でスピードを上げるわけにも行かないため、ローギアでエンジンを回す。
 4.結果として、迫力ある走行を見ることができなかった。
 5.山にこだまするロータリーサウンドもあまり聞くことが出来なかった。

 こんな書き方をすると、全然スピードが出ていないのではと思われるかもしれないが、あくまでも本来のスピードが出ていないだけで、カメラで追うことが出来ないほどのスピードは出ていた。


 画質が悪いので、それは無視していただいて、迫り来るロータリーサウンドをお楽しみください。人はたくさんいるのにロータリーサウンドを聴くためにみんな静かにしているのがすごいです。
迫り来るロータリーサウンド(6.2M) ピットに向かう787B(16.4M)


 サーキット走行で初めて気が付いたのが、4ローターサウンドって、意外に音が小さいということ。岡山国際サーキットでは、Tipoオーバーヒートミーティングにて毎年F1が走行するが、それと比較すると圧倒的に静かだった。全力で走行していないとはいえ、遠くへ離れてしまうと音が聞こえなくなるのだ。


 次頁では、片山さんのトークショーをお伝えする。