取り外すシフトユニットのボール

 既に取り外したシフトユニットで、どこのボールを取り外すかを説明する。



 矢印部分にくぼみがあることがわかるだろうか。



 こんな穴が開いている。この穴の内側に金属のボールが1つ入っている。正確に言うと、上下に計2つはいっている。



 例えばシフトをチェンジで1速→ニュートラル→2速と変えていったとき、「コリッコリッ」とした感触がある。また例えばシフトを2速に一旦入れてしまえば、シフトレバーは2速の位置で保持されて自然に動くことはない。「コリッコリッ」感やシフトレバーの保持は、このボールが穴に入ることで起こるのだ。実はAZ−1にはこの「コリッコリッ」感を出す穴と金属ボールがミッション本体にも入っている。つまり2カ所ボールがあるうちの、1カ所を取ってしまうのだ。1カ所をとることによって、「コリッコリッ」感を和らげ、シフトフィールを改善しようというわけだ。


 一方、アルトのシフトユニットはというと、ボールが入っていない。アルトの「コリッコリッ」感は、ミッション本体にある別の金属ボールのみに頼っている(シフトの抜け対策は、別の機構がついている)。



 そもそも、本来あるべきものを外して大丈夫かと思われるだろうが、AZ−1と同じ世代に作られたスズキのリアエンジン車(ケーブルでシフトする)のシフトユニットには、ボールの入っていないものがある。それがエブリィのワゴンだ。最終的なリスクは各自で負っていただくとしても、シフトユニットにボールの入っていないリアエンジン車が存在するという情報は提供しておこう。


 次頁より、シフトユニットの外し方を説明する。