AZ−1のフロントガラスが再生産

 掲示板にも書いたが、極めて重要な話なので改めて掲載する。実は去年あたりからフロントガラスが出なくなったのである。フロントガラスが割れると車検に通らない。そのため、フロントガラスが生産されないと、ガラスが割れる=即廃車という極めて危機的な状況に陥いるのだ。走行中に飛び石でガラスが割れたのならまだ諦めもつくが、駐車中に台風で飛んできた瓦でガラスが割れて廃車になったというのでは泣くに泣けない。度を超した深刻な状況なので、下手に情報を開示するとかえってパニックに陥り、何も前に進まなくなるだけである。マンションなどの耐震偽装問題がいい例だ。そのため解決策が明らかになるまでは、コメントやアドバイスなど一切できなかった。

 この困難な状況をなんとか打破すべく、AZ−1のフロントガラスを製造している日本板硝子の販売子会社である日本パーツの日本支社長経由で「AZ−1のガラスがなんとかならないか」と水面下で動いていた。が、再生産に向けて一番大きな力となったのは、ガラスに困ったオーナーの声だったのは間違いない。


 以下、再生産情報である。

価格:10万5千円(発売停止になる前と同じ価格)
ガラスの色:グリーン系(標準のガラスはブルー系)
部品番号:P100-63-900C(変更無しの予定)
     社外ガラスや輸入ガラスではない。純正ガラスだ。
販売数:50枚限定といわれているが・・・(後述)
初回販売時期:今年夏頃の予定

 なお、フロントガラスモール P100-50-601Cも一緒に頼んでおくこと。ガラス交換の際、モールが再使用できないため。

 以上、日本板硝子の販売子会社である日本パーツ、マツダ部品などから直接話を伺って確認した。



販売停止の経緯
 平成18年頃、「もうこれ以上フロントガラスが作れない」とマツダ部品に連絡が入ったとのこと。作れない理由は不明。最終ロットとして作り置きされたガラスが消費され、去年ごろになって最後の1枚が無くなった。
 そのころ、ガラスの部品番号が出てくる、しかしながらガラスは作れないとの旨のアラートがマツダ部品の検索システムに出るようになった。作れるのか、もう永久に出てこないのか、混乱に陥った。
結局、平成18年の連絡が決めてとなり、永久に出てこないという話になった。


販売再開の経緯
 ガラスに困ったオーナーが、ディーラーやガラス屋、部販に聞きまくったことが大きなポイント。実はどのガラス屋に聞いても最終的には日本パーツに問い合わせが行く。また純正・社外・輸入ガラスの有無についても問い合わせるため、例えば一人の人がディーラー、ガラス屋、部販に聞くと3×3=9つの問い合わせが日本パーツに行くと言うこと。これを複数のオーナーがやったとすると膨大な数の問い合わせが日本パーツに寄せられることになる。これにより需要があると判断され、再生産となった模様。
 前述の通り、私もガラス販売会社の業界団体の理事を通じて日本パーツの日本支社長に「AZ−1のガラスがなんとかならないか」と連絡をとってもらうなどしたが、結果的に駄目押し程度の効力だったと思う。


ガラスの金型
 AZ−1のフロントガラスの金型はほとんど廃棄処分扱いだったとのこと。今回、型修正して生産するが、ほとんど新規に型をおこしたのと同じとのこと。よって、50枚限定といわれているが、50枚作って型を廃棄するのはもったいない話なので、しばらくは様子を見てくれるらしい(日本パーツ広島営業所の話)。ただし、いつまで作ってくれるか保証は出来ない。


ガラスの色が変わった経緯
 現在のマツダの車のフロントガラスは全てグリーン系であることが一番の理由である。


ガラスの荷姿
 緩衝材の入った段ボールに入れて販売されるとのこと。段ボール中には木枠などは入っていない(マツダ部品販売広島の場合)。


継続的生産に向けて
 今回初めて知ったのだが、ガラスの金型は日本板硝子の所有物ではなくマツダの所有物だった。そのため、例えば社外ガラスを作っているガラスメーカーに、日本板硝子が金型を売って継続販売させるようなことはできない。継続生産については、マツダ側との交渉となる。
 ちなみに最悪の場合を想定し、AZ−1の本体にあわせてガラスを特注したら、1枚100万円とのこと。



 なお今後もフロントガラスが継続的に販売される保証はない。メーカーの気が変わらないうちに、これを期に予備パーツとしてもっておこう(特に走り系の人)。
 平素より「旧車の犯した過ちを繰り返すな」といいつつ、今回思いっきり犯してしまった。結果的に助かったが・・・例えば、「最終ロット品」という情報を得るのは大変困難なため今回のガラスのような事態になったわけで、この点は大いに反省すべき点である。が、有用な情報を得る術もない。継続的な発注が、最大の防衛策と考える。