グランドファミリア、その1

 今となっては非常に珍しい車である。グランドファミリアだ。大衆車であったが故に潰されてほとんど残っていない。旧車関係のミーティングでは、昔の旧車ピクニックでヤードにころがしていた解体車以来、久しぶりに見た。




 今回は、グランドファミリアに焦点を当ててみていきたい。




 フロントマスク。角目のライトだが、後に丸目のライトに変更となり、フロントマスクだけカマロっぽくなった。丸目モデルはあまり売れなかったため、現存する台数はもっともっと少ないと思われる。




 ヘッドライトのベゼル。今はもうベゼルのついた現行モデルの乗用車はほとんど無いのでは? AZ−1にもヘッドライトベゼルはあるが、それと比較すると大衆車といえども立派な作りになっている。




 丸パイプが連なったようなラジエターグリル。単純な角形なっているモデルもある。




 目立たない割には凝った作りとなっているエンブレム。ヘッドライトのベゼルといい、現在の車ではカネをかけないようなところにカネをかけている。




 リアのコンビランプ。ただ普通にランプがついているだけのようにも見えるが・・・




 寄ってみると、シボの入ったメッキになっている。普通だったらシボだけで済ませている部分だ。でもこれだけシボが深いと、ワックスが付いたときに落とすのが大変なんだよなあ。




 個人的には黒のインパネに紺色のドアトリムとシートという色使いはどうかと思ってしまう。写真ではわかりにくいがATだ。従ってグランドファミリアの中でもなおさら珍しい個体だといえる。




 そのドアトリム。毒々しいまでの紺色で艶がある。最近の車はトリム類に艶がない。なぜかというとプラスチックっぽく、また塩ビっぽく見えてしまうのを隠すためだ。そういう技術がなかったこともあろうが、グランドファミリアはエナメル調といっていいほどテカテカ。今となってはこういうのも味がある。