ひょっとしたらスーパーカー展はなかったかも?という話

 地方財政が厳しいと言われる中、こんなにも素晴らしい企画展示をしてくれた広島市交通科学館には大拍手だ。「カネがない、だから出来ない」という声をニュースでよく聞くが、これだけの企画を見せられると、泣き言を言う自治体は「カネが無い以上に知恵と行動力が無い」のではないかと思えてくる。またこれだけ存在感を日本中に知らしめしたら、仮に橋下大阪府知事が広島市長になったとしても廃止されることはないだろう。
 ところが、廃止の話が現実のものになる可能性が1年前に生じた。もしそうなればRX500は永久に倉庫の中で眠っていただろう。これから述べるのは、その顛末である。

 状況はこうだ。時は2007年4月の広島市長選挙にさかのぼる。有力候補者は、現職市長と対立候補の一人。対立候補は出馬直前までは参議院議員であり、その前はローカル局のキャスターをしていた人物だ。知名度は十分である。
 ところが交通科学館的には、この対立候補はとんでもなかった。2000年前後のキャスター時代に「なんで交通科学館みたいなものを作ったんだ」と究極の無駄な箱物行政として批判しだしたのだ。確かに無いと生活に困るというものではないが、そこまで言うかという剣幕だった。
 で、キャスターは番組を途中降板して2001年の参議院選へ無所属で出馬し、自民党政治を散々批判した挙げ句に当選した。

 ところがである。2001年7月の当選からわずか3ヶ月後、広島の有権者が唖然とする事態が発生した。なんと、散々批判していた自民党しかも当時の亀井派に鞍替えしたのだ。理由は「無所属だったら十分な活動ができない」。そんなことは初めからわかっているわけで、そこをなんとかして自民党政治にうち勝つという意気込みに有権者は票を投じたにも関わらずである。どこかに所属するとしても、民主か社民か共産党だろう。まさに君子豹変すである。この状況下での鞍替えは、日本最短記録ではないかと思う。
 氏の暴走は止まらない。イランでの人質事件では、人質になった人達を「非国民」呼ばわりするわ、広島市長と話しをしようにも「市長(格下)の方から会いに来ないから話さない」みたいなことを言いだすわで、地方の声を国政に反映しようともしない。古い体質の自民党を・お役所的感覚をさらに悪くしたような、とてもキャスター時代&参議院選挙当時とは考えられないようなイメージとなった。ちなみに郵政民営化には反対したものの、国民新党へは行かず自民党に残留。何がやりたいかよくわからん。

 2007年に広島市長選が行われる際、氏は参議院議員を辞して市長に立候補した。知名度は現職並みにある。が、こんなことやあんなことを繰り返してきたため有権者の支持を得られず、結果は現職市長がダブルスコアで圧勝。次点にもならず、氏の予想を遙かに上回る敗北を喫してしまった。
 さすがにここまで鬼畜のようなことをやってしまっては、対立候補によほどのスキャンダルでも出ない限り、今後の当選は難しいと思われる。近日中に行われるであろう衆議院選に出馬するような動きはない。県議会や市議会選でもダメだろう。地元の三次市長や三次市議ぐらいだったらなんとかなるかもしれない。


 RX500復活の背景には、以上のような裏話もあるのだ。


 RX500に関するレポートは一旦区切りをつけて、次回からは別のネタをレポートする。ドアなどをクローズ状態にしたRX500については別途改めてお送りする。