フェアレディー、その2

 エンジンをみてみよう。左が輸出、右が国内モデルだ。輸出モデルはマスターバッグがキャビン側に更に奥まって取り付けられている。恐らく国内モデルのようにつけてしまうと、キャブとマスターバッグが干渉するためだろう。
 これらのエンジンが、どこまでオリジナルに忠実なのかよく分からないのだが、国内モデルのキャブはソレックス、輸出モデルはSUになっている。ただ、SUをSOLEXに変えることはあっても、SOLEXをSUに変える理由はない。



 このエンジン、OHCなのだがシリンダーブロックはOHV用のものを使用している。というのもシリンダーブロックにデスビが取り付けられているからだ。




 比べて欲しいのが、オルタネータの位置。輸出モデルはエキマニのある側につけられている。それに対し、国内モデルはエキマニのない側につけられている(上の写真参照)。エキマニに近い側にオルタがあると熱でやられやすいし、そもそも反対側にはデスビくらいしかないためスペースが十分にあるので、写真のような国内モデルのようにしておけばいいのに。エキマニ側に付くのが正規なのかどうなのか、調べてみてもよくわからなかった。




 上の写真をもう一度みてほしいのだが、このエンジンはインマニとエキマニが同じ側にある。現在のエンジンではまずみられなくなった配置だ。これをターンフロー型エンジンと呼ぶ。それに対し現在はクロスフロー型がほとんど。ターンフローは使われなくなった技術だが、1つだけいい点がある。進角調整がしやすいのだ。
 OHVのシリンダーブロックを使用したクロスフローの場合、キャブもしくはインマニの下にデスビがくることが多い。そのため進角を調整しようとしたら最悪マニホールドをはずさないとできない事がある。こりゃめんどくさい。マニホールドをはずしたらキャブの調子も狂うのでなるべく避けたい。それに対しターンフローではデスビモロ見えの構造になっているため進角調整やポイント交換も簡単に出来る。