燃料電池車の概要

 今回燃料電池車を出展していたのは、ホンダ、スズキ、ベンツであった。その中で、ホンダが燃料電池車に関するパネルを展示していたので、それをつかって燃料電池車の概要を説明しよう。

 燃料電池とは、水素と酸素を反応させて発電する電池のことであり、発電した電気でモーターをまわして車を動かす。燃料電池車は、水素ボンベと燃料電池を積んでいる。酸素には空気を使い、排出されるのは水だ。
 燃料電池自体は古くから実用化されていて、例えばアポロなんかにも搭載されていた。技術としてはかなり古いのだ。

 これがホンダの燃料電池車2005年モデルのFCXである。



 透視図が展示されていた。基本的にどの燃料電池車も同じような構成になっている。つまりフロントにモーターがあり、床下に燃料電池が、リアシートの下には水素ボンベがあるという構造だ。FCXの場合は以上に加えてリアにウルトラキャパシタを搭載している。




 これがスペック。







 燃料電池車は電気で動くから静かだと思われるかもしれないが、実際には酸素等を高圧にして燃料電池に注入する必要があるため、「キーン」といった感じの音が発生する。当然音が静かな方がいいわけだから、音の大きさで燃料電池車の完成度がある程度判断できる。

 以上のような予備知識をもって、次頁から各社の燃料電池車の詳細を見ていこう。なお当日は一般の人を乗せる試乗会も行われていた。