歴代キャッチコピー

 歴代のキャッチコピーが書かれたパネルがあった。なかなか興味深い。





 中でも異彩を放つのが、6代目である。とにかく長い。長いだけで、伝わってくるものがないという珍しいキャッチコピーではあるまいか。改めて紹介しよう。


 「ニッポンの自動車の新しい物語が始まります。 
 トヨタのニューグレードセダン ALL NEW カローラ誕生」 





 長い、長すぎる。ちなみにAZ−1はというと、



 「絶対的なスピードでもなく背伸びしたアピアランスでもなく。 
 手に入れたかったのは一番ピュアな車の原点マンマシンレスポンス」 



 うわっ、これも長い。でもどうみてもAZ−1の方がかっこいい。びんびん伝わってくるぜ。マツダの車の中で、一番カッコイイコピーかもしれない。




 6代目のコピーがどれだけ伝わらないか、テレビ番組の前口上と比較してみよう。まずは「桃太郎侍」



 「1つ人の世の生き血をすすり、2つ不埒な悪行三昧、 
 3つ醜い浮き世の悪を退治てくれよう桃太郎」 





 次、新造人間キャシャーン。



 「たった1つの命を捨てて、生まれ変わった不死身の体、 
 鉄の悪魔を叩いて砕く、キャシャーンがやらねば誰がやる」 





 これらを比較して分かるのは、6代目はとにかくテンポが悪い。5,7,5,7,7みたいなリズム感が無い。だから伝わらないのだ。カローラに乗るおっちゃんらに、テンポのいいキャッチコピーを、熱いメッセージを投げかけても引いてしまうだけ、という裏をかいた作戦なのだろうか??



 カローラ生誕40周年記念展はこれでおしまい。日本車で1つの名前でこれだけ長く販売されている車はカローラくらいではあるまいか。この記録はどこまで続いて行くのだろう。