ラッシュアジャスターのエア抜き

 ラッシュアジャスターは適切なバルブクリアランスを自動的に保つようにする小さな部品である。が、こいつにエアが噛み込むと、うまく機能しなくなる。エアが噛み込んでいるか否かを確認するには、ラッシュアジャスターを押してみる。へこんだらエアが噛み込んでいる。
 となるとラッシュアジャスターのエア抜きが必要となるのだが、整備書などで下のような写真に示す、なんだかよく分からないSSTの図と解説をご覧になったことがあるだろうか。



 実はこのよくわからないSSTが無くてもエア抜きは出来るのだ。
 まずラッシュアジャスターを立てた状態でもちゃんとオイルに漬かる程の高さを持つカップを用意する。下の写真ではスプレー缶のキャップを利用している。
 そのカップにオイルを満たしラッシュアジャスターを入れる。
 最後にラッシュアジャスター上面に開いている穴に細い棒を突っ込んで、中に入っているチェックボールを何度も押してやるのだ。すると空気が出てくる。押しても空気が出なくなったらエア抜き完了だ。





 オイルに漬かった状態ではよくわからないので、あえてオイルから取り出してエア抜きと同じ作業をやってみた(ただし、横から押している)。
 下の写真はチェックボールを押す前のもの。





 この写真はチェックボールを押した後のもの。縮んでいることが分かるだろうか。





 この動作をオイル中で、ラッシュアジャスターを立てた状態で行うのである。


 エア抜きに使った棒は、細い六角レンチ。





 ノギスで図ったところ、大きさは1.5mmだった。もちろん、これとほぼ同じ太さの棒であれば(折れるようなものでなければ)なんでもいい。





 今回はこれでおしまい。次回はいよいよヘッドをはぐり、なかがどうなっているか確認する。