SKYLINE COUPE COLLABORATION STUDY、その1

 正直、ISETAN MEN'S館前で写真を撮りまくるというのは、無粋というか変態行為に近いため、あまり細かい所まで撮影できていない。オマケにいつも以上に撮影するアングルが悪い。それを勘案の上、見て欲しい。冒頭でも述べたが、この車をファッションのツールとしてではなく、自動車としてレポートする。

 じゃ〜ん。これがSKYLINE COUPE COLLABORATION STUDYだ。内外装とも濃い紺色を基調とした車である。


 ちょっとわかりにくいが、外装はメタリックとなっており、紺色とは違う色できらきらと輝いていた。訪れた時間が16:00頃だったため、春先ながら強烈な西日が射し込み、緑がかった紺色に見えた。





 この車、デザインはともかく、細かくみると車としての出来がイマイチなのだ。正直、LEON側のデザイナーが車のことを知らずにデザインしてしまい、日産側もLEON側デザイナーの意向を重視するあまり、車として成立させるために必要な修正を加えずに組み立ててしまったのではないかと考えざるを得ない部分が多々あった。ほんのちょっとしたことで、修正可能なものだけに、見る側としては悔しいというか残念な気分になる。そんな点も含めて見ていこう。

 最も典型的な例がホイールだ。クイズ。下の写真でデザイン重視の車としては明らかに違和感がある部分はどこでしょう?





 答えはキャリパー。ノーマルのままついている。LEON側のデザイナーが、車のタイヤの裏側に存在する「もう1つ目立つもの」を考慮せずにホイールだけデザイン・チョイスしたと考えざるを得ない。キャリパをデザイン的に優れた専用品に交換しろとは言わないが、せめて色くらいは塗るだろう。そばにいた日産の人が「おしゃれは足下からということで、ホイールにもこだわりました」と説明してくれた。が、これでは靴紐がほどけた状態でおしゃれな靴を履いているようなものである。目に付くだけになんとも残念な部分であった。

 車の中央に貼ってあるデカールは、特別仕様車のみの設定だ。男のベルトを意識してデザインしたものだという。下の写真では分からないが、細かく見るとデカールに空気が入りまくりだった。そんな細かい点まで伊勢丹の前で写真に収めると変態以外の何者でもないので撮影しなかったが、こちらは完全に日産側の責任。「靴紐のほどけた靴」に水を差されて詰めの部分に力が入らなくなったのか(邪推)。





 とまあ悪い点もあったのだが、優れていると確信を持ったデザインを自ら具現化してしまうLEONの姿勢・実行力は非常に素晴らしいと思う。自動車雑誌でもなんでもないファッション誌が実現できたのだ。対して自動車雑誌はと言うと、ここまでやった例はあまりない。前々から感じているのだが、自動車雑誌は一部を除き、どうしてLEON並みの実行力と主体性がないのだろう。Car of the Yearもいいが、Worst car of the yearも作って、自らが悪い部分を修正していい車に改造することで、自動車会社に対し建設的な意見(反論)を言ってみたらどうだ。残念だが、その姿勢への反発心が当HPの原動力でもあるのだ。