エンジンの分解と解析

 抜き取られたエンジン。今回はカムあたりが怪しいということがわかったため、ペリメーターフレームに取り付けたままで分解する。



 カムカバーを取ったところ。



 すると・・・一発で異音の原因が分かってしまった。なんとロッカーアームが変な摩耗の仕方をしているではないか。下の写真では正規の位置についているのだが、実はカムカバーをはずした時は、斜めについていた。これには我が目を疑った。



 実はこのエンジンを組んだのは私。F6Aはロッカーアームが固定されていない方式のため、カムカバーを組んだときにずれる可能性がある。十分注意して組んだつもりだったのだがこの結果である。激しい自己嫌悪。これ見た瞬間、あまりの間抜けぶりに以降の作業は力がはいらなかった。
 ロッカーアームをはずすと、バルブ周りには傷がついていた。ただ、バルブ本体の頭に傷はついていなかったので、このまま使用することにした。



 一方カムシャフトはというと・・・やっぱりダメ。変に摩耗している。



 下の写真はカムの一番てっぺんを撮影したもの。正常なものと比較して摩耗している。こりゃだめだ。ロッカーアームとともに、カムも交換となった。



 ドナーとなるエンジンからカムカバーをはずしているところ。せっかくの銀ヘッドが、みっともない白ヘッドになってしまった。



 しかし驚くべきはF6Aである。こんな状態でもそれなりに回るんだ。しかもかなり長期間にわたっていた。恐るべき耐久性である。


 ついでにラッシュアジャスターも交換しエンジンを載せた。始動させてみるとやはり同じような異音がする。う〜、これが直接の原因ではなかったのか、それともラッシュアジャスタを変えたため、まだなじんでないのか???
 マニュアルをみると、30分は異音がすると書いてある。ここはじっと待つ。30分待つのだぞ。すると異音に変化が見られた。カタカタ音の高さが高いときと低いときに別れてきたのだ。さらに待っていると、す〜と異音が消えていった。よかった、組み直したあとの異音の原因はラッシュアジャスターのなじみ不足だったのだ。


教訓 エンジンを組んで30分間たっても異音がする場合は、ロッカーアームがねじれて付いている可能性がある。もう一度エンジンを降ろそう。


 あと、サウンドスコープでカムカバーが怪しいということまでは分かったが、INかEXのどちらから異音が発生しているかまでは分からなかった。結局IN側がおかしかったのだが、サウンドスコープでは大まかにしかわからないようだ。サウンドスコープはストレートで1300円くらいなので、異音が気になる人は買っても損はない。