タイヤ&総括

 更正した不良少年のタイヤみたいな名前・・・




 これは再生タイヤ。東南アジアではよくあるという話なのだが、日本でも採算のあう仕事なんだ。下の写真のようなプロセスで新品同様に生まれ変わる。




 いろいろ歩いてみてみると、インパクトのあるタイヤが・・・アイスピックが突き刺さっているタイヤ。




 これはタイヤの中に特殊な液を入れて、ノーパンクタイヤにしてしまうものなのだ。タイヤがパンクした後で液と空気を入れて修理するというものは前々から売られているが、これはパンクを未然に防ぐというものである。
 アイスピックを抜くと、タイヤの中から液体が出てきてすぐに凝固し、穴を塞いでパンクしないという仕掛け。




 これがノーパンクタイヤにするための液体である。



 この液体、車に標準装備しようとしてもタイヤメーカーからの圧力でなかなか実現しないのだそうだ。タイヤメーカーの言い分は、タイヤメーカーが保証しないものを出荷時に入れられても困るということだ。ブリジストンを含め各社このような言い分なのだが確かにその通りなのでどうしようもない。しかしなぜかブリジストンの自転車には標準として採用されているとのことだった。




総括

 一番最初にも書いたが、古い車の部品を(専門的に)供給するメーカーにとっても、15年しか経っていない車でさえ「ど旧車」という認識であったこと、事実15年でパーツ供給がなくなる場合が多いことが明らかになった。このレポートの当初の目的は、今販売されているパーツはどこまで古い車のものが売られているのか、古い車のパーツの再生産はどの年代まで可能なのかを調べ、AZ−1のパーツの供給リミットを推定するというものだったが、既にタイムリミットが近づいている状況だったのだ。数ある車のパーツの中でも安心できると思われるパーツはオイルシールとタービンくらいという有様である。悲惨である。さらには古い車のパーツは、古い日本車に乗る奇特な日本人のために作っているのではなく、古い日本車にやむを得ず乗っている東南アジアの人のために作っているという状況までも見えてきた。
 結局、車を長くもたせるにはユーザーによる日々の努力が必要ということが改めて確認できた。今回のレポートをもとに、欠品部品だらけという事態を招いた旧車の二の舞にならぬよう各人気を引き締めて日々のメンテと保守パーツの収集に努めることを願ってやまない。