ECU、インジェクターのリビルト

 こちらの会社、いろいろなものをリビルトしていた。その中でも特徴のあったものを紹介したい。



 ECUのリビルトをやっていた。下の写真はコンデンサーが飛んで基板が焼けてしまった例。ECUがダメになる場合、コンデンサーの飛ぶことが一番多いそうだ。コンデンサーがいかれる最大の原因は熱とのこと。同じリアにエンジンのあるビートではよくコンデンサーがダメになるそうだが経時変化ではない。AZ−1の場合、基本的にFFのアルトと同じものだ。アルトのECUは助手席の足下上のフェンダーに取り付けられているためエンジンの熱が伝わってくることはそんなにない。従ってそれなりの設計しかしていないと考えられるAZ−1の場合はというと・・・ビートと同じ故障が起きていないのが不思議なくらいだ。




 再生したECUはシミュレーターにかけられてチェックされた後に販売される。




 コンデンサの他に壊れる部分は、インジェクターを駆動させるトランジスタくらいなのだそうだ。コンデンサやトランジスタは代用できるとしても、CPU自体が壊れていた場合はどうするのだろうか。聞いてみたところ、CPUだけは代用がきかないため解体車からサルベージするとのこと。

 このサービス、残念ながらF6AのECUには対応していない。このころのデンソー製ECUはアナログとデジタルが複雑に入り組んでいて、解析やシミュレートが大変なのだそうだ。がんばって、リビルトできる体制を整えてもらいたいものだ。



 一方この見慣れない機械は、インジェクターの洗浄機兼チェック装置なのだ。




 シリンダーに泡がたっているが、これはインジェクターから激しく吹き出した液体がたまったもの。これで洗浄と吐出量をチェックするのである。

 AZ−1の時代の車では、壊れたら絶対動かなくなる部品が3つある。ECU、インジェクターとスロットルボディーだ。またこれらの部品は形や機能こそ全く異なるが、お互いエンジンの作動にに大きな影響を与える部品でもある。アクセルワイヤーの動き(人間の意志)がスロットルボディーに伝わり、スロットル開度がECUに伝えられる。その情報をもとにECUはガソリンの噴射量を制御し、インジェクターが適切に作動することでエンジンが回る。どれ1つ欠けてもダメなのだ。おまけに代用がきかない部品でもある。これらの部品への適切な対応が車を行きのばせるキーとなる。