練習艦はましお

 防府みなと祭りのメーンイベントの1つがこの自衛艦の見学会だ。車ばっかりみても時間が余るので、さっそくいってみた。



 さまざまな「はましおグッズ」も売られていた。練習艦で見学会が多いからグッズが準備されているのかと思いきや、全ての自衛艦にグッズがあり、さらに乗組員は強制的に買わされるのだそうだ。下の帽子は通常価格2500円。「この機会に俺も買っておく」とは乗組員の言葉。








 こちらは、はましおのワッペン。潜水艦なのになんでロビンフットなのか聞いてみたところ、部隊の愛称が「ゴールデンアロー」だからなんだそうだ。ワッペンをみると確かに矢が金色。3本あるのは毛利元就の3本の矢の教えからきている。要するにサンフレッチェ広島ですな(はましおは呉基地所属である)。このデザインは乗組員が考えたものだそうだ。




 下はTシャツの柄。こちらは思いっきり日本風で、やはり3本の矢がある。






 というわけで、さっそく見学開始。艦内にはカメラ持ち込み禁止なので、ここから先はテキストのみのレポートになる。

 まずは「はましお」の基本データから。全長は76m、全幅9.9m、排水量は2250t。速力は20ノットで乗員は70名だそうだ。
 艦首にあるハッチから潜り込み、少し進むと発令所へ。機密保持のため最新の機器を取り外したためか実にアナクロに見える艦で、コンピューター(のモニターやキーボード)らしきものさえ無かったのには驚いた。要するに、1つのモニターで場面場面に応じて必要な計器表示に切り替えるという仕組みになっていない。1つの計器は1つの役割しか担わない。「実戦の基本はマニュアルだ! オートに頼るな!」と言わんばかりの装備。ただマルチ表示の場合、モニター1つが死んだら全ての計器が死んだも同じということになるため、攻撃を受けて故障することを想定すると、やはり1つの計器は1つの役割のみ担うというのがいいのかもしれない。
 潜望鏡ものぞかせてもらった。聞いたところこれは純粋な光学系の潜望鏡ということでNIKON製。さすが軍事用、素人が見てもはっきり分かるくらい明るいレンズが使われており、見える見えるよく見える。アナクロ装備といえば気象FAXも置かれていた。JRC(日本無線)製のデカイもので、放電破壊紙を使っていた初期のFAXくらいの大きさだった。FAXがこの大きさだから、他の装備の能力も推して知るべきなのだろうか。
 次は住環境関係。潜水艦は狭いと言われる。確かに防水ハッチのあたりは狭かったが、それ以外は案外広いように感じた(俺が狭いところにいすぎるのか?)。ただしベットは狭い。まともな場所にあるのはいい方で、魚雷の下、ハープーンミサイルの上に寝る人もいる。練習艦だから模擬弾かと思いきや、実弾だそうだ。あと興味深かったのが食事。トリビアの泉では、確か海上自衛隊は金曜日がカレーだといっていたと思ったのだが、土曜日にカレーを食っていたぞ。また潜水艦は食事が唯一の楽しみになるため、軍隊の中では最もいい食事が出ると聞いていたが、見る限りそうでもない。そうは言っても食事に対するこだわりは感じた。実は私が見学出来たのは、昼休み直前だったのだ。すると「隊員も飯を食わんといかんから」と後少しのところで強制中断にあうところだった。規律正しい自衛隊員だからこそ時間にこだわるのか、飯が唯一の楽しみだからこだわるのか、それとも時間通りにしか仕事をしない公務員的発想なのか、そのどれでもないのか。個人的には食事への強いこだわりが一番興味深かった。


 というわけで、これでおしまいである。それにしても夏の旧車ミーティングは暑いわ・・・