SU-HV1(燃料電池自動車)

 俳優の大滝秀治さんが、2003年の夏に流れたキンチョールのCMで言った台詞。キンチョールはなぜ水性なのか、それは環境にやさしいからという説明に対し、「つまらん! おまえの話はつまらん!」と断罪。はじめてみたとき思いっきり笑ってしまったというか、「環境に対する配慮が足りない」っとキンチョウにクレームが来るんじゃないかと心配して大笑いできなかったというか・・・まさにそれを現実のものにしたかのような、エコカーの説明のなさである。




 会場のコーナー部分におかれたSU-HV1を取り巻く人はまばら。が、決して人気がないわけではない。そんな車ではない。展示方法が悪かっただけだ。




 燃料電池自動車は電気で動く。電池は水素と酸素で化学反応を起こして作る。カットモデルがおいてあった。




 酸素は空気から供給するとして、水素はどうするのか。それは車に積んだ水素ボンベから供給する。アクアラングのようなボンベが床の下にあった。




 この車には後席の下当たりにボンベがつんであったが、例えば追突されて爆発したらどうなるんだろう。ガソリンならその場が燃え上がるだけだが、水素が爆発すると尋常ではない。水素と酸素がきれいに混ざると、ほんの少量でもものすごい音がするんだ、これが。爆音で近くにあるビルの窓ガラスまで割れてしまうかもしれない。この場合の水素は高圧になっているのでボンベが破裂すると瞬間的に広範囲が爆発限界濃度になるが、ガソリンは常圧で漏れ出すだけで爆発限界濃度も限られているため結果として燃え出す(爆発する)のに時間がかかる。ガソリンだったら燃えても火が回るのに間があるため脱出するチャンスは残されているが、爆発だったら逃げようがない。現在レンタルされている燃料電池自動車が爆発事故でもおこせば、燃料電池ブームも吹っ飛ぶかもしれない。それとも「車は水素ボンベを積んで走るのが当然、爆発してもやむなし」、「現在でもタクシーではプロパンガスを積んで走っている。水素もプロパンも糞も味噌もいっしょ」という機運を、モーターショーなどを通じて今から作り上げていけば問題ない??
 前出のプリウスには電池が積まれているが、電池には寿命がある。ノートパソコンの電池をみればよくわかるが、時間がたてば持ちが悪くなる。これ中古で売るときに誰が新品に変えるのだろう? 100万円くらいするのに。新技術開発は大いに結構。しかしそれを商品化するとなると、ネックになる点が多いのには頭が痛い。