ベクター W8 ツインターボ
これは会場を盛り上げるために展示された、ベクター W8 ツインターボである。ガルウイング、リアミッドシップ、リトラクタブルヘッドライトとスーパーカーと呼ぶに必要な要素がつまっている。車自体は古いものなのだが、直線的なデザインがカッコイイ。

こちらはガルウイング部分を拡大したもの。AZ−1と同じようにちょこっとしか窓が開かない。この窓は上下にスライドするのではなく、バスの運転席側の窓のように前後に動かして開閉させるのだ。

エンジン部分。オールアルミのエンジンだ。運転席側にインタークーラーがみえるのだが、こんなところにつけて冷却効果はあるのだろうか。

リアビュー。わかりにくいがマフラーは4本だしとなっている。ナンバープレートの横に、長方形の穴がみえるが、それが排気口だ。

非常に大きいダッシュボード。これはフロントガラスがかなり寝ているためこうなった。夏はかなり暑そうだ。また広いフロントガラスを拭くため、ワイパーは歪なレイアウトになっている(矢印部分)。

ここでこの車の横に陳列してあった説明文を見てみよう。
最強のアメリカ軍との呼び声が高いベクターW8ツインターボ。643馬力、87kgのトルクで3速AT車、カウンタックやディアブロを彷彿とさせる低く構えた未来形のフォルムで最高時速352kmは、紛れもなくアメリカを代表するスーパーカーである。1980年の12月に最初のプロトタイプができあがったものの、強烈すぎるスペックのため、米国の安全基準をクリアできずなかなか完成にこぎつけなかった。1990年代前半のデビューまで実に10数年の年月を要したことになる。ベクターW8ツインターボの最初のお客は、サウジアラビアの王子で、彼の25台のコレクションの一つに加えられた。ちなみにコレクションの中にはポルシェ959やベントレーターボRが含まれている。スタイリッシュな外観に比べ、コクピットは手作りのテイストを漂わせている。さほど広くはないものの、レカロのCシートが快適で、最高のドライビングポジションを保ってくれる。アメリカ製OHV独特のエンジン音とターボチャージャーの過給音のマッチングはまさに芸術品である。ベクターW8ツインターボは世界で18台紙か生産されておらず、この車は13号車で日本に実在する唯一の車である。